38.ハシカは恐ろしい病気です.3-24-97. ハシカは一度かかると二度とかからない病気の代表です。ハシカやインフルエンザは怖い病気との認識を我々日本人はあまりもっていませんが、本当はインフルエンザもハシカも恐ろしい病気です。今年の冬にインフルエンザで死亡する人が大勢出た事はまだ記憶に新しいと思います。 日本で広く用いられているハシカワクチンは、北里研究所で開発したAIK−Cという名前のワクチンです。このハシカワクチンは、世界で最も優秀で、世界中で用いられています。このワクチンが広く用いられるまでは、世界的にハシカに罹った子供の100万人に一人は、亜急性硬化性全脳炎(SSPEと略称する)という絶対に治らない病気になっていました。このSSPEは、ハシカが治って6年程度経過した後、集中力や学業成績の低下から症状が始まり、手足の運動が麻痺し、ついに植物人間となって死亡する恐ろしい病気です。死亡患者の脳細胞には、変形したハシカウイルスが電子顕微鏡下で観察されます。SSPEを防ぐ目的でハシカワクチンは、強制接種となりました。SSPEを防ぐ意味で一人でもワクチンを受けないひとがいないことが望まれます。 |