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115.地震のストレスで食道の筋肉がゆるむ. 3-11-98.

  強い地震が多発する国では大地震が起こる前にその予知が出来ればという願いが大きいと思います。「ナマズの行動から地震が予知できる」との言い伝えみたいなことを良く耳にします。ナマズの愛好家は、ナマズは地震の前に興奮する、と言うかもしれません。この類の話は、真実を含んでいるのかも知れませんが、試してみることが難しいので万民を納得させられないと思います。しかし、ナマズに似た話が権威ある医学雑誌に掲載されていましたので紹介します。

  世界的に権威あるランセットという医学雑誌の最新号の片隅に、「地震で食道下部の括約筋がゆるむ」というレポートを見つけました。サッカーでも有名なペルージャにあるペルージャ大学のガブリオ・バソッティ博士は、全くの偶然から奇妙な現象を発見しました。

  62才の女性患者の食道内圧を測定していた最中に、リヒター・スケールで5.2の地震が発生した。リヒター・スケールとは良く解りませんが、日本で用いるマグニチュードのような地震の強さを表現する単位で5.2はかなり強い地震と思われます。

  地震が発生して皆が驚いている間、患者の食道下部の括約筋は全くリラックスした状態となり、その時の括約筋の圧力が瞬間にし20から5 mmHgに低下した。その3日後、その患者の食道下部の括約筋を含めて食道全体の圧力を再度測定したら、平均内圧は21 mmHgと正常値を示していた。食道全体および上部の括約筋は、ストレスを受けると緊張するのに反して、「食道下部の括約筋はストレスによって緊張するどころか弛緩し、この奇妙な反応にはアドレナリンが関与しているのでは」とガブリオ・バソッティ博士は報告しています。

  レポートはこれだけの短いものですが、これが普遍的に観られる現象とすると「ナマズが興奮する」ことも真実であるのかも知れません。旅行に出かけたり、旅館や他人の家に泊めてもらったりなど環境が変わると、一時的に「気兼ね便秘」になる人が、特に若い女性には多いようです。便秘にも色々な原因が関与しますが、環境の変化によるストレスが腸の運動を緩めたり、または括約筋を緊張させているのかも知れません。

  阪神大地震が起こったとき、講堂のような仕切りの無い広い一室に大勢の人と寝泊りし、更に水洗便所の水が出ない・使えない、食物繊維の少ない食事や地震の恐怖心等から、気兼ね便秘に悩まされた人も多いのではないでしょうか。便秘によって腸内の異常発酵が腸内細菌により起こるとお腹が張り苦しくもなります。ペルージャ大学のガブリオ・バソッティ博士の観察した現象から推測すると、地震の恐怖心からだけでも充分に気兼ね便秘になり得るように思われます。

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