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131.新しいインフルエンザ対策. 2-18-99.

@鼻内噴霧ワクチンに高い有効性

 インフルエンザが今年も猛威を振るっていますが、インフルエンザに ついての明るい話題が学術雑誌に掲載されていましたので、概略を紹介します。

  米国セントルイス大学の感染症・免疫学科のベルシェBelshe,R.B.科長と聖ユダ小児研究病院のウエブスターWebster,R.G.博士は、インフルエンザウイルスに対する対処法の研究が進み、インフルエンザ対策に新たな可能性が開かれてきたようです。二人の微生物学者の話の概要は、次のようです。

カリフォルニアのAviron社により開発された鼻内噴霧ワクチンFluMistは、インフルエンザウイルスの侵入部位である鼻内粘膜での抗体 産生を刺激する生ワクチンで、インフルエンザ対策の新兵器となる可能性があるようです。1,600例の小児を対象にした試験を実施し、その鼻内噴霧ワクチンFluMistは、注射による現在のワクチンと同等の予防効果があり、「大きな予防効果」を期待させる成績を示した。この試験の責任者であるベルシェ科長の説明によると、FluMistの感染防止有効率は、全インフルエンザウイルスに対して87%、このワクチンに含まれるインフルエンザウイルスに対しては100%であった。

 

A80年前のスペインかぜウイルスの遺伝子解読

インフルエンザウイルスの遺伝子RNAを構成する全塩基配列を解読する研究も盛んに行われており、そこから得られる情報からインフルエンザウイルスの粒子がもっている赤血球凝集素やノイラミニダーゼの特定の塩基配列に基づき、A型インフルエンザワクチンの新たな開発が可能になると考えられる。また感染細胞からウイルス粒子が放出される際に働くノイラミニダーゼの活性を阻害する薬剤についても、予防と治療の両面から検討がなされている。

インフルエンザウイルスの遺伝子解読は、全世界で4千万人の死亡者を出した1918年のスペインかぜのウイルスの極めて強力な病原性を解明する糸口となることが期待されている。スペインかぜでは、多くの若い人達に死亡者が出たのが特徴と言われています。世界的大流行のときに犠牲となった方々の遺体がノールウェーのスピッツベルゲン島に埋葬されていることが判りました。そこでの遺体を掘り起こし、スペインかぜウイルスの遺伝子の解析を行う「スピッツベルゲン特別研究プロジェクト」が進行中で、80年前に流行したウイルスの遺伝子の解析が大幅に進んでいるようです。

 昨年(1997年)香港で16人以上の人が感染したトリインフルエンザウイルスの特徴は、下痢や腹痛、腎臓や肝臓の機能の低下など、スペインかせの大流行以来見られなかった症状を呈することのようです。このウイルスがヒトからヒトに感染が広がらなかったのは人類にとって不幸中の幸いでありました。

昨年(1998年)には若い人達を中心にインフルエンザが大流行しました。今年(1999年)のインフルエンザは、子供などの若い人達でなく成人からお年寄りを中心に幅広く流行し、抵抗力の弱いお年寄りに多くの犠牲者がでていることが、毎日のように報道されています。注射するのでなく鼻内噴霧ワクチンやノイラミニダーゼ阻害薬の登場もそれほと先のことではないようです。全遺伝子の解読に続き、予防と治療が可能になる胎動を感じられるようになって来ました。(MT90121).

 

インフルエンザは、単なる風邪ではなく、恐い病気です。アマンタジンという薬剤も登場していますが、薬剤耐性のウイルスが出現するそうです。「攻撃は最大の防御」で、「予防が最大の健康維持法」のようです。

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