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159. 花王(株)の消費者に対する姿勢. 9-23-99.

@.シャンプーなどの家庭用洗浄剤の微生物汚染。
 不特定多数の人々の使用に供される公共施設などに備え付けられている手洗い洗浄液が極めて多数の雑菌により高頻度に汚染されていることを私達は数年前に気がついた。また、手洗い液のみならず、理・美容店で業務用に使用されているシャンプーやリンスなどの洗髪剤も雑菌の汚染が激しいこと、更にはシャンプーなどにより細菌は変異することを見出した私達は、学術雑誌に公表すると共に「曖昧模糊」でも紹介ししました。興味のある方は、「5.手洗い洗浄液で手に最近が付く、6.シャンプーの細菌汚染、89.シャンプーで細菌が変異する」をご覧下さい。

 これらの洗浄剤の雑菌による汚染が激しいことに気がついた時点で、理・美容店がXX社の製品を使っていると教えて貰えたケースでは、その該当する製造会社の消費者相談センターに汚染状況を知らせてあげた。「曖昧模糊」」にも記載したように、私達から連絡を受けた企業と化粧品協会の反応は、全く予想外のものが多かったのには大変に驚きました。コマーシャルなどであたかも一流で良心的な企業であるかの如き宣伝をしているある化粧品会社などは、他人の意見などを聞く耳を持たない情けない状況でした。私が成績を示してこのような汚い状況は改めた方がイメージを売る企業としては良いのではないかとの説明に対して、使い方が悪いのであって使用者の責任で製造会社の責任ではないと断言もしていた。それでは、「どのような使い方が悪く、どのように使うべきと、どこに書いてありますか、説明もしないで悪い使い方はないでしょう、製造者には説明する義務があるはず」等の質問にはまともに答えないのです。成績を見せても責任転嫁するだけで話に耳を貸さない企業は、一般消費者がなにかを質問しても、なにかの不都合を訴えても相手にしてくれないだろうと私は思いました。

  ところが、悪徳会社ばかりではなく、私達の話を真摯に受け止め聞く耳を持つ良心的な会社もありました。また新幹線の車内に備え付けてあった手洗い洗浄液は、どの方向に向いて走る新幹線車両も全て例外ナシに恐ろしく汚い状態でした。当時の国鉄は、私達の話を聞いてから、全面的に清掃方法を変更し、見事にキレイな状態にして乗客をもてなすようになりました。


 

  1. 家庭用洗浄剤つめかえ製品に関する微生物学的検討。

  ある学術雑誌に表記のような研究報告が最近になって掲載されました。台所用洗剤、衣料用洗剤、柔軟仕上げ剤、ヘアケア製品、ボディーシャンプー、ハンドソープなどを市場から購入し、モニター21名の協力を得て、いろいろな微生物学的な試験を1997年から1998年にかけて実施したようです。結果としていろいろなことを報告していますが、簡単に要点を紹介すると、洗浄剤の抗菌力は充分に証明された、通常に使用する限りでは細菌汚染は起こらない、誤まって希釈したケースを除くと洗浄剤の容器を洗浄することで問題となるような微生物汚染は見出せなかった、モニター21軒中13軒(62%)の容器の洗浄に使った水道水から菌が検出された、浄水機を使用している場合は特に高頻度であった、「消毒剤でも調整法や取り扱いが不適切であれば、微生物により汚染されることが報告されているので、洗浄剤の製造会社は消費者に適切な取り扱い方法を啓蒙して行くことも重要なことであると考えられる」でこの報告書は終っている。

 ここに紹介した内容は、あえて企業名を公にしますと、花王(株)の研究所の人達が、自ら試験し自ら報告したものであります。上に書きました私達の試験成績に耳を傾けた企業の1つがこの花王(株)でありました。


  1. 悪徳業者は駆逐しよう。

  この度、花王の人達が公表した結果は、私達が以前に報告した結果と異なるところが一部あります。公表された成績がいかに立派であっても、現在も公共施設に備え付けられている手洗い洗浄液や理・美容店で使用しているシャンプーやリンスは依然として細菌汚染が証明され、現状はあまり変わっていません。試験の方法が違えば、自ずと結果も一部違っても仕方がないことです。

  ここで私が問題としたいのは、結果がどうして違ったのかではなく、企業の消費者に対する姿勢のことです。別な項目でも書きましたが、「ダマシ上手は商売上手」では困るのです。「悪徳企業を駆逐しよう」などと大袈裟なことを書きましたが、そんなことをしても消耗的で「クタビレ儲け」にしかなりません。

  少なくとも消費者にとって敵でなく、消費者の安全や製品に責任をもつ企業を消費者が育てることの方がよほど建設的と考えます。このような点で、私達が手洗い洗浄液やシャンプーなどの洗髪剤が雑菌による汚染がひどいと「曖昧模糊」に記載した内容に、花王は初めて対応した企業であります。「花王という企業の製品を使うようにしたい」、この報告書を読んでの私の感想です。

  花王が発表した論文に興味のある方のために、出典を記します。

    「家庭用洗浄剤つめかえ商品に関する微生物学的検討」

    防菌防黴,第27巻 (9号),563−571頁,1999.

  遺伝子組換え食品も似たような状況にあると思いますが、家庭で毎日使う洗浄剤は安全でなければ成りません。節操がない企業が多い中で、この花王の姿勢に対して皆さんは、どのように感じられましょうか。「当たり前だ」と言われるかも知れません、しかし、その当たり前なことがなかなか難しいご時世のように感じています。

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