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165.米国の「オウム真理教」感.10-26-99.

@.微生物学雑誌にオウム真理教が登場。

 米国の微生物学会および感染症研究所などから発行されている学術雑誌に「オウム真理教」についての記事や報告を見かけることがあります。「新興感染症」という国際的な学術雑誌(米国立防疫センターCDCからの発行)に「Aum Shinrikyo: Once and Future Threat?」という見出しの特別寄稿文がありました。最初は「Aum Shinrikyo」という新しい感染症が現われたのかと、奇妙なスペルでなんだろうと思いました。よく観ると「オーム真理教 過去とこれからの恐怖?」と読めるではありませんか。世界で起こっている新興感染症の国際雑誌に「オーム真理教」がなぜ掲載されるのか興味があり読んでみました。

 Aum Shinrikyo: Once and Future Threat?の著者、Kyle B. Olson氏は、著者の紹介文を読んでまたビックリです。化学兵器、生物兵器やハイテク・テロの顧問、相談役で、またthe Defense Nuclear Weapons School, Air War College, Naval War College, U.S. Air Force Special Operation Schoolおよびジョージ・ワシントン大学での化学兵器・生物兵器の客員講師であると書かれています。オルソン氏は、微生物関係者でなく、まさにテロ対策のプロなのです。

A.オウム真理教の恐怖。

 8ページの論文で、化学兵器としてのサリンと細菌兵器としてのエボラウイルスなどで実戦使用の恐怖を紹介しています。

 世界最大の都市・東京で展開された1995年3月20日地下鉄でのサリン事件から始まり、……4年後のいま彼らは再建に励んでいる……。1994年6月27日・月曜日に松本での冷蔵庫改造トラックでのコンピーター制御装置を用いたサリンの噴霧……。第7サティアンは、化学兵器の製造工場で、サリン製造用に設計されてあり、そこでの製造能力は普通のテロ集団のスケールではなく、ほとんど実戦用である……ロシアではモスクワ・日本大学でのパートナーは、ロシア国家安全委員会議長でもあるOleg Lobovで、……。とになく詳細にオウムの行動を調査し分析しています。著者は、オウムを常にカルト(人や思想を崇拝する)集団と記載しています。

 カルト集団は、1990年からボツリヌス、炭疽、コレラ、Q熱の病原体を培養し多くの実験をした。1993年には、麻原は16人の医師と看護婦を引き連れて中央アフリカのザイールを訪ね、エボラ出血熱に関する情報収集とエボラウイルスを持ちかえることが目的であった……。

 私がこの報告書を紹介しよう決心したのは、オウム集団が世界最強の毒素産生菌ボツリヌスやP4レベルの凶悪なエボラウイルスにまで触手を伸ばしていたとの記載を読んだからです。私のような病原性の強いウイルスを扱うプロであっても、エボラウイルスを取り扱うことはできません。私の管理区域にはP3レベルの高度実験施設があります。しかし、エボラウイルスは、宇宙服のような特殊な防護服を着用して作業するP4レベルの実験施設でなければ取り扱えません。その理由は、私が感染して死亡してもそれは職業上必要なことであれば仕方がないのですが、感染した私を診療した医師団および検査したり介護したりする看護婦・臨床検査技師を含む多くの医療従事者までもが、感染し死亡する可能性があるからです。感染するとほとんど助かりません。本当に恐ろしい話です。これ以上この論文の内容には触れないことにします。

尚、ボツリヌス菌やエボラ出血熱ウイルスについては、曖昧模糊の「46.世界最強の細菌、76.ウイルス性出血熱とはどんな病気ですか?」を読んでみてください。「ホット・ゾーン」という単行本を読まれた方も多いと思いますが、この小説はエボラ出血熱を題材にし米国陸軍特殊部隊の出動がえがかれていました。興味のある方は、「ホット・ゾーン」 Richard Preston著、高見浩訳、飛鳥新社発行を読んでみては如何でしょう。

 このような情報は国内にもあるのでしょうか。テロ対策のプロだからこそ入手が可能であるのでしょうか。もしかしたら「オウム」の本当の恐さを多くの日本人は判っていないのかも知れません。この報告書に興味のある方は、ホームページからも入手が可能です。URLを記載して終わりにします。どうぞ宜しく。 http://www.cdc.gov/ncidod/EID/vol5no4/olson.htmです。

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