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187.ツケモノと微生物.472000.

1.漬物の種類.

 世界各国にその国特有な漬物と呼ばれる食品があると思てます。外国の漬物については多くの種類は知りませんが、名前がすぐに出てくるものとして、キャベツの漬物としてのザワークラフト、キュウリの漬物であるピクルスなどの欧米のものと、アジアでのザーサイとキムチなどがあります。これに比べて日本国内には非常に多くの漬物がありそうです。

 漬物も専門的には何種類かに分類されるのでしょうが、食品は素人ですが微生物屋が眺めると微生物学的には少なくとも2種類に分類できそうです。第一の種類は微生物の増殖を抑える操作を加えたと思われる漬物、と第二の種類は微生物を増殖させて発酵させた漬物と思われます。此れとは別に、塩や酢を加えただけの単純な漬物と隠し味てきに何かを添加して発酵した漬物とにも分けられそうです。

 微生物が多分関係しないと言うよりは微生物の増殖を抑制させた単純で普通の漬物としては、塩を加えただけのキュウリやキャベツの一夜漬けや梅干(専門家が漬物に入れるかは知りません)、および酢を加えただけのラッキョウ漬や紅ショウガ(紅が加えられていますが)などがあると思います。これらは、微生物の増殖による腐敗を防ぐために塩や酢を加え、塩の脱水作用で野菜に含まれる酵素タンパクの働きを抑えたもので、その添加する量で長期間保存できるものと直ぐに食べるものとがありそうです。

2.微生物が関係する漬物.

 ヌカ、コウジ、味噌、モロミ、酒粕、ワサビやカラシなどを適当に加え、乳酸菌、酒酵母、酵母様カビのカンジタなどの有用微生物を増殖させ、保存性と風味を引き出した漬物がたくさんあります。タクアン、ヌカみそ漬、ベッタラ漬、奈良漬、ワサビ漬やカラシ漬などが頭に浮かびます。

 漬物の製造で最も大切な微生物は乳酸菌と思われます。発酵の初期には、好気性細菌であるバチルス、シュードモナス、アクロモバクターなどが生息していますが、乳酸菌が増殖して酸を作りだすと、これらの好気性細菌は消滅します。乳酸菌は、乳酸を作り、pHを酸性にし、アルコール、アミノ酸や有機酸、タンパク分解酵素などを産生し、漬物に香りと味をつけるものと思われます。美味しいヌカみそ漬を作るには、嫌気性細菌が増殖すると悪臭が漂い不味くなりますから、空気を多くいれ嫌気性微生物の増殖を抑制して乳酸菌、酒酵母、酵母様カビのカンジタなどの増殖を促進させる必要があり、そのためにヌカミソを混ぜる操作を毎日しなくてはないのだと思われます。

 漬物を作るときに塩の量が少ないとカビが生えることもあります。それらのカビは、ペニシリウムやフザリウムなどで、野菜の軟化や変色の原因となるようです。

 カラシ蓮根事件というのが前に起こりました。商品の取り扱いと日持ちさせる目的で真空パックしたカラシ蓮根のながで、嫌気性細菌が増殖して強力な毒素を作り、それを食べた人達が被害を受けたのでした。保存食品としての漬物も腐敗します。近頃の漬物も低塩になっていますから、腐らせないように工夫することが肝心と思われます。

 

微生物が関与する漬物

野沢菜漬、タクアン、ヌカみそ漬、ベッタラ漬、奈良漬、

ワサビ漬、カラシ漬、キムチ漬、福神漬、

有効に働く微生物

サッカロミセス、カンジダ、トルロプシス、デバリオミセス、

有害に働く微生物

ペニシリウム、フザリウム、クラドスポリウム、アルテルナリア、

ハンゼヌラ、ピヒア

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