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198.クラミジア感染と動脈硬化.632000

1.肺炎クラミジアの発見. 

分類学的には細菌の一部に属するクラミジアと呼ばれる病原体の小さな一群があります。最近になって新しいクラミジアがヒトから発見され「肺炎クラミジアChlamydia pneumoniae」と命名されました。

   分離された当初この新しいクラミジアは、肺炎や気管支炎および中耳炎などを引き起こす病原体であると考えられていました。ところが、研究が進み少しずつ性質が解ってくると、動脈硬化などの心疾患を発症させる可能性を指摘する報告があいづいで発表され、この肺炎クラミジアがにわかに注目されるようになってきました。

   肺炎クラミジアは、肺炎では三番目に頻度の高い原因菌であるようですが、多くの感染者の場合、肺炎クラミジアの感染と気が付かないことが多いようです。あまり重篤にはならず、一寸しつこい単なるカゼとして見過ごされる可能性があります。

2.動脈硬化のウサギでの試験.

  米国で開催された化学療法会議で、トロント大学のホォングFong教授

は、ウサギに肺炎クラミジアを感染させたところ、その三分の一以上のウサギに動脈硬化を発生させられたと発表しました。このようなウサギに抗生物質を早期に投与したら動脈硬化を発症したのはわずか8.3%のみであり、抗生物質を遅れて投与したウサギでも12.5%に動脈硬化の発生が認められたのみであったそうです。

  抗生物質を早期から投与すれば、血管に対する障害をより効果的に防げるかも知れないし、また細菌が脳の血管に影響をおよぼし、脳卒中を引き起こす可能性もあるかも知れない。動脈疾患の患者での臨床試験は現在進行中であるようです。

  最近発見された肺炎クラミジアは、試験管のなかで増殖させることが難しい奇妙な病原体です。もう少し研究が進むと、肺炎クラミジアの病気を起こすカラクリがもう少し判ってくるでしょう。動脈硬化の予防と効果的な治療も可能になる時代がそこまで来ているのかもしれません。今後の研究に期待したいものです。

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