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222. 病院内トイレの消毒,12‐6‐2000

ある女性から《温水でお尻が洗える便座型トイレが病院でも多くなってきたように思います。病院内トイレの便座は消毒してあるのでしょうか?》との質問を貰いました。多くの女性にとって便座は大変に気になる対象物で、清潔なのかを確認するために聞いてきたのだと思います。

ある企業では女性用トイレの便座か良く壊れるので原因を把握する目的でトイレの使い方について、三つのビルで勤務している二千人の女性社員を対象にアンケート調査を実施したそうです。大小の区別なくトイレで用を足すさい個室内でなにも特別なことをしない女性はほんの数パーセントで、ほとんどの女性が何がしかのオマジナイをしている実態が判明したようです。そのオマジナイの内容は、想像をはるかに超えて実に様々であるようです。微生物学的にはあまり意味のないオマジナイと思われますが、女性の場合肌が便座に触れることが嫌なようです。

トイレの便座が汚染されるのは、大きく分けて糞便と血液の二つの可能性があると思われます。糞便中に含まれ細菌またはウイルスは、主に腸管の感染症を起こす原因体で数多く存在します。血液に含まれるのは、主にウイルスでB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスやエイズのHIVなどと下痢症のウイルスが考えられます。肛門周囲に潰瘍がある場合とのように出血をみる場合以外は、特に感染の危険があると考えなくてもよいのではないでしょうか。

B型肝炎ウイルスをもっている人は、病院に限らず一般社会にも多くいます。病院でB型肝炎ウイルスの感染者として把握している以外は、どの人が陽性か陰性かも判らないのが通常です。病院に限らず全てのトイレは毎日なんらかの清掃はしていると思いますが、病院だからと云って特別に便座を消毒していることはないと思われます。便座の消毒は不必要と考えているのではありませんから、トイレに限らず手指の消毒になどに充分に注意を払う必要は常にあると思います。

レストラなど食事を提供する施設のトイレには、消毒用の液体やそれを含むティシューの類が備えられているのをよく見かけます。これで便座を拭いてくださいとの事でしょうが、アルコールを主成分とする消毒剤で便座を拭う程度の時間では、下痢症のウイルス等は死滅しないと思います。この類の消毒剤の使用は、拭いた部分に付着している微生物を拭い去る程度の意味と思われます。それで気持ち悪さが拭い去ることができるのであれば、大いに結構なことと思います。

近頃は、肛門周囲炎の人の数が多くなってきたようだと云う、お医者さんが殖えてきたように感じています。その原因はかならずしも明確ではないようですが、温水によるお尻洗い機の排出水量を強くして念入りに丁寧に洗い、更に温風による乾燥もたま時間をかけて丁寧に行っている人に多いような印象を持っているお医者さんがいるのは現実です。この推測が本当だとすると、肛門周囲をあまりにも清潔に保っている人は、糞便由来の雑菌による日常的な刺激が少ないので肛門周囲の皮膚の雑菌に対する抵抗性の低下が原因と考えられます。

 

トイレに行くことが困難で「オムツかホータブル簡易便器」を使用している老人や患者さんが大勢いる社会になりました。在宅での介護サービスも盛んに行われています。使用したオムツや便器の取り扱いには充分に注意する必要があります。また介護した人の手指の消毒にも充分に配慮することが肝心です。

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