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226.冬に多い下痢症の原因ウイルス. 12132000.

  1. 忘年会と新年会の置き土産.  

 忘年会や新年会の季節になりました。鍋料理を突っつきながら仲間と一時を楽しんだまでは良かったのですが、その後集団でお腹をこわすことが珍しくありません。これは、ウイルス性の集団食中毒であることが多いようです。

 ヒトに急性胃腸炎を起こすウイルスとしてはアストロウイルス、アデノウイルス、サッポロウイルス、ノーウォークウイルスとのロタウイルスの5種類が主な原因ウイルスとして知られています。このなかでロタウイルスによることが世界的に一番多いようです。発展途上国では80万人の乳幼児が毎年死亡していると考えられています。先進諸国での死亡例は少ないのですが、医療費を含めた経済的な損失は年間1200億円程度と考えられています。

2.各胃腸炎の簡単な説明.

1)ロタウイルス性胃腸炎:一番多い.

 直径が70ナノメートル程度で分節型の二本鎖RNA(生物としても非常に珍しい遺伝子)のレオウイルス科に属するウイルスです。感染は、ウイルスを含む糞便に汚染された飲食物を口から摂取してかかり、48時間程度の潜伏期のあと発症する。2歳未満児に重症な脱水を起こす。発病初期に発熱や嘔吐、続いて水様性の下痢が一週間みられる。発熱の頻度と脱水の程度が他のウイルス性の胃腸炎と異なる。小児期には何度でも感染するが、二回目以降は軽症に経過する。冬を中心に流行するが夏にも感染例がある。発症一週間は、糞便中にウイルスを排泄し続け、感染源となる。

2)ノーウォークウイルス性胃腸炎:二番目に多い. 

 直径が27から35ナノメーターで一本鎖RNAをもつカリシウイルス科に属するウイルスです。感染は、糞口感染です。乳幼児から成人までの広範囲の年齢層に急性胃腸炎を起こします。食品衛生法でいう小型球形ウイルスSRSVと同じと考えられています。発病初期に腹痛と嘔吐が多くの場合みられ、下痢が数日間ともなうが、発熱の頻度は低く、成人では入院を要する拾症例は少ないようです。乳幼児や小児では不明なことが多い。成人では何回も感染し発症する感受性群と全く感染を受けない非感受性群に分かれるようです。カキによる食中毒は冬場に多くみられるが、急性胃腸炎は通年でみられる。

3)サッポロウイルス性胃腸炎:三番目に多い. 

 直径が27から35ナノメーターで一本鎖RNAをもつカリシウイルス科に属するウイルスです。主に乳幼児から5-6歳の年齢層に急性胃腸炎を起こす。発病初期に腹痛と嘔吐が多くの場合みられ、下痢が数日間ともなうが、発熱の頻度は低いようです。感染の季節性はなく、一般に軽症な例が多いようです。

4)アデノウイルス性胃腸炎:五番目?.

 直径が80ナノメーターで二本鎖DNAをもつアデノウイルス科に属するウイルスです。アデノウイルスは、抗原性から51の型に分けられますが、そのうち40型と41型は腸管アデノウイルスと呼ばれることがあります。主に乳幼児に散発的に急性胃腸炎を起こしますが、乳幼児を収容している施設では市有弾発生も報告されています。症状としては、発熱の頻度は低く、下痢と嘔吐のみの症例と下痢のみの症例が多くみられるようです。

5)アストロウイルス性胃腸炎:二番目に多い(?).

 直径が28ナノメーターで一本鎖RNAをもつアストロウイルス科に属するウイルスです。主に乳幼児に急性胃腸炎を起こし、乳幼児の保育施設や病院内での集団発生の原因となることがあります。老人を収容している施設での集団発生の報告もあります。ロタウイルスについで二番目に多いとともアストロウイルスについで四番目に多いとの報告もあります一切未満児は感染しやすく、発症率も高いようです。冬場に流行することが多いが、一般的に軽症例が多く、発熱や嘔吐も少ないといわれています。

 ここに取り上げたウイルスは、糞便とともに体外に排泄されます。「糞便に排泄される」ということは、酸・アルカリや界面活性剤等に暴露されても壊されないことを意味します。ウイルスを含む糞便の取扱いが不適切な場合、手指をはじめ環境を汚染します。その汚染されている環境にいると、間接的に糞便を摂取することで感染する訳です。老人施設などで集団発生する理由がおわかり頂けると思います。

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