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250. アロマセラピーと抗菌作用.7-14-2001.

アロマセラピーの効用.

ラベンダーの花と同時にアロマセラピー(芳香療法)という用語が大流行しているようです。「香り」という語には、五感から来る「臭い」とは根本的に違って、「心地よい・快い」という意味が含まれると思います。良い香をかぐと気分がよくなるので、昔からアロマ(芳香)には超能的な力があると思われているようです。

アロマセラピーとは、「植物の精油に含まれる芳香成分のもつ薬理作用を利用して心身の疾病の予防や治療を行う療法」と定義されているそうです。ある植物の香は、皮膚や鼻から吸収されて脳に作用し、中枢神経から内分泌系に働き、次に免疫系に作用する。そのためアロマは、ストレスを解消し免疫力を高める等と良いこと尽くめのことが活字として躍っていることも見かけます。アロマにこれらの働きがあっても不思議ではありませんし、一部は確かに科学的に解明されているのでしょう。しかし、はたしてどの程度まで実験的な裏づけがある話なのかは、私に知識がありませんのでよく判りません。

匂いを嗅ぎ分ける能力は、人により大変に異なるようです。例えば、香水の調合を職業にしている人達のような嗅覚の鋭い人は、微量な匂いからその物質がなんであるかをあてられ、その認知できる濃度は測定機の能力を超えるそうです。そのためアロマセラピーは、芳香成分の濃度は高い必要がなく、感じる程度で良いのが特徴とされているようです。

アロマの抗菌作用.

ワサビ、ショウガやニンニクなどの香辛料の香りには、強い殺菌作用が認められています。にぎり鮨や刺身に生ワサビを使うのは、味や香りの好き嫌いは別にして、和食の文化の高さを示すものと思います。次に香りの微生物に対する作用について紹介します。ここでは、上に書いたワサビ、ショウガやニンニクなどの香辛料でなく、アロマについて触れます。

アロマと呼ばれる物質は、水には溶けない揮発性のものです。細菌やウイルスなどの微生物は、水が無いところでは殖やせませんし、また水溶液でない状態で試験することは一般には行われません。そのため、油性の物質や疎水性の物質は、抗菌作用のみならず生理活性の測定も難しいものです。

私達は、密閉できる容器に水を入れてある温度に数時間放置すると飽和湿度になる原理を応用することで、水に溶けにくい物質の微生物に対する作用を調べる方法を開発しました。最初に特殊なフィルターに一定量の微生物を殆ど乾燥状態で付着させたものを準備します。次に密閉できる容器に試験したい検体と微生物が付着しているフィルターを入れて密閉し、適当な時間、例えば、6時間とか12時間、保温します。その後、フィルターに残存している微生物の量を定量し、検体の活性を調べます。この方法で、ラベンダー油、レモングラス油やユーカリ油など微生物に対する作用を調べたことがあります。但し、特殊な芳香成分の濃度を調べることが私達には出来ませんので、まだ濃度と活性の関係は判りません。

ラベンダー油は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌やバンコマイシン耐性腸球菌などの細菌、トリコデルマやアスペルギルスなどの真菌とインフルエンザウイルスやヘルペスウイルスなどのウイルスにも有効でありました。できるなら、アロマの種類と微生物に対する作用の特徴が調べられたら、どの微生物の病気にはどのアロマがより有効と言えると思います。微生物の病気に対する本格的なアロマセラピーが開始しされる時期もそれほど遠くはない将来と期待されます。

アロマセラピーの特徴は、抗生物質のように注射でなく皮膚や粘膜から吸収させるため、微量で穏やかに作用すること、抗生物質に耐性菌にも有効であり、また耐性菌を作り出さない可能性などが上げられます。

ここに記載したアロマの微生物に対する作用は、アロマの有効成分の濃度が判らないので商品によっても違いがでます。また香りとしての嗅覚による濃度と微生物に対する濃度は、正確には判りませんが、百倍か千倍ほどの違いがありそうです。従って、実験で有効であっても室内のような環境でも有効かどうかは別な問題となりそうです。

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