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260.狂牛病の政府発表が判らない.9-28-2001.

妊婦の疑問.

狂牛病の牛が見つかったとの報道があったあと、色々な方からメールで質問を受けました。内容は、牛肉、牛乳や乳製品の安全性を心配する一般人と牛の一部を商品に直接または間接的に使っている企業の方からの対策なとでした。そのなかで妊娠していると言う主婦の方からメールを受け取りました。「妊娠しているのでお医者さんから牛乳などの栄養を摂るように言われているけれども、狂牛病かどうか判らない牛の肉や牛乳は安全なのでしょうか」というような内容でした。妊娠している女性が自分自身とお腹にいる胎児への影響についての素朴な疑問ですから、非常に答えにくいケースでした。それなりに私の考えを伝えました。その後、再度メールが届きました。その一部をここに紹介します。

10日ほど前に狂牛病についての質問をさせていただいた妊婦です。狂牛病に関して、もう一つどうしても疑問に思っていることがあって、またメールを送らせていただきました。(乳製品は食べるが牛肉はとりあえず食べないと決めたので、ことさらに神経質になっているつもりは無いのですが、曖昧な成り行きにはイライラさせられています。)

 疑問というのは、「狂牛病(プリオン?)は、潜伏期間中は他に感染しないのか?」ということです。農水省は狂牛病について「30ヶ月以上の牛について検査する」そうで、報道によれば、30ヶ月という数字の根拠は、「それ以前に発症した事例が無いため」ということなのですが、狂牛病の場合は「発症以前なら感染しない」ということなのでしょうか? それとも単に「それ以前では、検査をしても感染の有無を確認でいないからやらない」ということでしょうか? もし後者だとしたら、グレイゾーンにいる子牛達は「30ヶ月に達するまでは出荷しない」「それ以前に死亡した子牛は飼料に供しない」などの措置も必要ではありませんか?

 消費者の本音は、農水省なり厚生省なりが感染源や感染ルートを特定し、感染の可能性のある牛と肉骨粉とを全て焼却処分にして、今後は家畜の飼料に肉骨粉を使用できなくして欲しいということだと思います。そうでないと「発症した牛は『黒』と断定できるが、未発症の牛は『グレイ』としか言えない」「いつまで経っても『安全宣言』は出来ない」ということです。

政府の人たちは本気で「狂牛病」という病気を国内に広げないようにしようと思っているのでしょうか? 「風評被害」を困ると言う前に、その「風評」を招いているのは他ならぬ自分たちの「危機意識のなさ」だということに気づいて欲しいですね。マスコミも、もっと突っ込んで欲しいです。「英国から肉骨粉を輸入していたという記録はない」とか、「検査のサンプルを適切な場所から取らなかった」とか、お役人たちは「無かったことに」しさえすれば「事実そのものも消えて無くなる」とでも信じているのでしょうかね?(この傾向は今やお役人に限ったことではないのかもしれませんが。)

話は跳びますが、小泉首相が、テロ対策として国内の主要施設(国会議事堂や原子力発電所)に自衛隊を配備しようとしていたのを止めたそうです。理由は「国民の不安を高めるから」と聞いて、ひっくり返りそうになりました。

自衛隊を配備してもしなくても、テロの危険は減らないでしょう?「なんかヘンだぞ、日本人!」。 ヘンと言うことでもう一つ。児童誘拐か何かの事件で、インタビューを受けた近所の女性が「子供に『人を信じるな』と教えなければならないのは辛い」と言っているのをテレビで見て、やはりコケました。私の子供の頃などは、「知らないおじさんについていくな」と言われたものでしたが。よほど平和ボケしているのか、世間知らずなのか、それとも学校の建前教育の成果でしょうか? 誰でも信用できるような世の中ではないからこそ、信用を与えるか否かは自己責任で決めなければならないし、信用できる人は大切だし、信用に足る人間であるために自分はどうする(ある)べきかを考え、それが責任ある行動に繋がるのではないかと思うのですが。そういう意味では、今の日本は、信用を安売りしすぎたために、誠意や責任がどこかに飛んでいってしまっているのかも知れませんね。[]

この主婦の方に私がなにを書き送ったかは、ここでは触れないことにします。その理由は、次に紹介します文章を読んで頂いた方がより説得力があると思うからです。新聞でも一言触れてありましたので、ご存知の人も多いと思いますが、日本政府の不甲斐なさを日本人に代わって英国人がハッキリと苦言をていしています。それをお読みいただきたいと思います。

明治25年の暮れに国内最初の伝染病研究所が北里柴三郎のために福沢諭吉の私財で建築されました。伝染病研究所が建てられるという話しを聞いた住民が猛烈な建設反対運動を起こしました。その時、福沢諭吉は住民の前に立って、「世界の北里が伝染病を研究する伝染病研究所は、地域住民が伝染病に罹ってしまうような危険は無い、伝染病研究所が安全だという証拠に《伝染病研究所の隣の家に自分の子供達を住まわせる》」と表明しました。

先日農林大臣や千葉県知事が「焼肉を食べて見せている」映像がテレビでみました。なにかを根拠に本当に焼肉が安全だと信じているのなら、農林大臣や千葉県知事等は自分の代わりに幼いお孫さんに食べさせている様子を放映した方が演出としても余ほどインパクトがあるのにと、福沢諭吉のことを思い出しながら私は独り言をつぶやきました。

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