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262.農産物を輸入することは外国に土地を購入したこと.9‐7‐2001.

曖昧糢糊の「254. 日本は水が豊富か.8-1-2001.」に《…外国から穀物や肉を輸入することは、有限の資源である水も輸入することになる…》と書きました。日本は水が豊富であると思っていたが・・・・と以外に感じた人たちが大勢いたようです。また水の量についての数値を連絡してくれた方々もいました。インターネットの偉力を感じざるを得ません。水に関する数値は、例えば国土交通省の「日本の水資源」に出ているようで、Assessment of water resources and water availability in the world; Prof. I, A. Shiklomanov. 1996 (WMO発行)も引用されているようです。

ところが、少し別な観点から意見を下さった方もいました。その中の一つを紹介させて貰います。農畜産物を他国から輸入することは、水も輸入することになる。そのことは、輸出国の問題で輸入国は直接関係ない事柄である。日本の現状は、安価な物が外国から輸入できて消費者としては喜ばしいことのように捉えているように映る。物を輸入できるからと、喜んでばかりはいられない。農畜産物を輸入することは、広大な農地や牧草地を外国に持っている、または土地を購入したのと同じ意味なのである。国内に農地などは不要となり、土地の値段が今後も上がることは決して無い。

相手国から物や水を輸入することの本当の意味は、その物を生産している土地を購入したことに等しいのである。最も単純な例は、ある企業が生産拠点を国外に移し、そこの安い労働力を使って価格の安い製品を製造し、日本国内に持ち込むことである。そのような企業が多くなっているが、国外に転出したのは親企業のみならず、関連企業も国外に生産拠点を移さざるをえない。親企業が一社で関連企業が十社としても、その十一社で使わなくなった土地は不要となる。それ以上に生産を支えていた技術も国外に飛び出すことになる。

日本が築いた大量生産システムは、どこの国へも簡単に移転できるし、相手は簡単に学び取れる。最初は東南アジアの労働賃金が安い国に出かけて行き、そこで生産を開始する。そのうち労働組合もでき福利厚生費や賃金も跳ね上がる。するともう少し賃金の安い国に移り生産を開始する。そこもいずれ高賃金となり国際競争力を失う。現在残された国は、中国だけである。労働組合が無く人口過剰なお国柄であるから、文句を言う奴は簡単に解雇できるので、今は何でも安く製造できる。中国で日本企業が日本に輸出するために安く作った物もセイフガードたらで輸入制限される。日本人が日本企業を潰すことになる。またいずれ中国人もステーキを食べワインやコーヒーを好むようになるに違いない。何年先かは別にしてたどり着くところはみな同じ筈である。

国際的な話しの好きな人は、すぐに国際的な分業が良いと言う。生産性の低い農業は、所得の低い外国に任せ、国内では付加価値の高いものを作ればよいと言う。ゲ―ム産業も日本の一人勝ちとはいかないかもしれない。付加価値が高く儲かる商売は、基礎がなければ直ぐには立ち上がらない。BSハイビジョンテレビも売れれば、大きな市場となることは間違いないが、一般消費者が飛びつかないのは何故だろう。BSハイビジョンテレビは、国内の家電メーカーの救世主となるかならないかは直ぐにわかる筈である。

国内の大手企業が仮に全て転出したとする、いまでも売れないのに買い手の無い土地は更に増え続ける、中小企業はどんどん潰され続ける。出て行った技術は二度と戻ってこない、国内では後継者も不要となる。これで日本の経済が維持され、日本人か安心して生活を営めると思われない。安いから輸入すると、今後の日本経済や産業基盤を底辺から支えている基礎技術を放棄することも意味する。その意味を認識している政治家や経済学者がはたして何人いるか。

[完]

恐ろしい内容の話しを聞かせて貰いました。ご本人には申し訳ありませんが、多少はオーバーであるにしても、絶対に無い話しではないことは理解できました。それでは我々はどうすれば良いのでしょう。節操や節度を保つことが必要なのでしょうか。なんでも極端なことはよろしくないのかも知れません。皆さんは、どのように考えられますでしょうか。

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