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268.染毛剤の人体への影響12-1-2001.

大人にアトピーの患者が多くなった

近ごろ皮膚科を訪ねる患者にアトピー性皮膚炎の成人が多くなっていると聞きます。またある時またはある年から突然に花粉症や喘息になってしまった成人の患者が増えだしているようです。身内にアレルギーの者は見当たらない、また本人は子供のときからアレルギーとは無縁であったのが、50歳になって突然と呼吸困難になり喘息と診断されるケース、並びに60歳になって花粉症で仕事に支障を来たすようになったケース等です。

 

アトピー性皮膚炎は、子供に多い病気ではなくなってきているようです。顔面が真っ赤になる人、顔のみならず背中まで腫れものができる人、症状は人により様々のようです。喘息でもダニの死骸等を含めてアレル源が見つからないケースも多いと聞いています。どうして成人にこれらのアレルギー性の病気が多くなってきたのかその原因はいまのところまだ判らないようです。

 

染毛剤の人体への影響

日本医事新報という医師向けの雑誌があり、「質疑応答」と呼ばれるカラムがあります。ここで質問している人も答える人も共にお医者さんです。

 

「最近、髪を茶色に染めることが小さな子供にまではやりだしたので心配ですが、染毛剤の人体への害はないのでしょうか」という質問と、それに対して皮膚科の先生が寄せた回答が掲載されていました。概略を紹介します。

 

染毛剤には、シャンプーで色が落ちる一時染毛剤と、シャンプーによっても色が落ちず一定期間は染毛効果が持続する永久染毛剤とがある。永久染毛剤には植物由来染毛剤、金属性染毛剤と酸化染毛剤があり、茶髪に染めるのは永久染毛剤のなかの酸化染毛剤である。これは、第一液が第二液により酸化されて発色する。第一液の組成は、パラフェニレンジアミンなどの芳香族アミン、修正剤、アンモニア水、酸化防止剤、油性成分、界面活性剤などである。

 

パラフェニレンジアミン(俗称パラベン)がアレルギー反応を引き起こすことはよく知られており、動物実験でも強い感作作用(アレルギー反応を引き起こす引き金の役を意味します、註:田口追記)が証明されている。感作を起さないためには、頭皮に傷がある時や湿疹がある時には使用しないことである。子供の頃から染毛剤を使用すると、感作のリスクが高くなるので、子供の染毛剤の使用は薦められない。

 

ヘアカラーが皮膚炎を引き起こす

ドイツ・ウルム大学の皮膚科のゴットレーバー博士は、染毛剤で二人の女性が顕著なアレルギー性皮膚炎を発症した症例を報告しています。論文には染毛剤の具体的な商品名が記載されていますが、それは省略して概略を以下に紹介します。

 

30歳の女性の場合、染毛剤の使用は4回目であったが、使用して7時間後に、頭皮に暗赤色のカユミを伴う斑が現れ、12時間後には首、額や耳などに広がった。24時間後には、上下のマブタやコメカミに強い腫れが認められた。27歳の女性の場合は、染毛剤の使用が3回目で、上の30歳の女性と同様であった。この二人の症状は重かったので入院させた。掲載されている顔写真は、顔面が真っ赤に腫れ上がっている様子を示しています。

 

二人の場合、パッチテストの結果から、パラフェニレンジアミン、パラトルイレンジアミン、3‐アミノフェノールおよびパラアミノフェノールに対する接触アレルギーと診断された。特に染毛剤の主成分であるパラフェニレンジアミンはアレルギーを生じさせるリスクが高く、洗い流す際にアンモニアを発生させて強い刺激を引き起こす恐れがある。

 

ドイツ人女性の場合、頭皮に傷があったのか、湿疹などはなかったのかは記載されていません。洋の東西を問わず、パラフェニレンジアミンなどの芳香族アミンを含ませた染毛剤が広く使われているようです。これらが、成人に突然現れる花粉症や喘息の引き金になっていなければ良いのですが、今後の研究に待たねばなりません。

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