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271. ナシ栽培者の花粉症.1‐15‐02.

作業期間が10年で発症.

春になると草木が一斉に若芽を出すと同時に開花します。春らしい生命の息吹を感じます。ところが花粉が飛散すると、花粉に敏感な人達には耐えがたい季節となります。今から20〜30年前の日本国内で「花粉症の患者」があまり多くなる以前でも、アメリカでは「ブタクサなど」の花粉に対して秋になるとアレルギー症状がでる「ヘイフィーバー、干草熱」という病気の人がたくさん居ました。

ブタクサなどの花粉に対するアレルギー患者が増えだした後は、今現在と同じ状況で「スギ花粉」に対する患者が増えだし、花粉症の大流行期になったようです。いまでは老齢者でもある年突然に「花粉症」の症状が出るようです。突然の発症は、なにが原因のアレルゲンで、その原因にどの程度の年月曝されると症状がでるようになるのでしょうか。

富山医科薬科大の寺西先生の研究グループは、職業性花粉症について学会で報告をしています(第9回日本職業アレルゲン学会)。果樹園で働いている人達に花粉症の患者が多くいて、ナシの花粉の影響が考えられているのだそうです。そこで1980年からナシの栽培者を対象に原意調査を開始し、その結果の一部を発表しました。その結果、次ぎのようなことが判ったようです。

富山県のある地域のナシ栽培者で継続的に把握されている患者は、1980年は9例、1989年は14例、1993年には 10例であった。調査期間中に新たに発症した者が7例いた。アレルゲンについて調べたところ、ナシの花粉に対する免疫抗体が増加傾向にあったが、ナシの下草である「スズメノカタビラ」の花粉に対する抗体も増加する傾向を示した。皮膚反応試験を実施した結果、ナシとスズメノカタビラの花粉に陽性を示した者は、花粉症を発症していた。

ナシの栽培に携わっている期間と花粉症を発症した者の傾向を調べると、作業従事年が9年以下での発症者はいなかった。新規に発症した者では、作業年数が10年前後と30年前後に発症している傾向にあった。既に花粉症を発症している者では20年以上の従事者に多い傾向があった。

作業中にマスクを使用するかを調べたら、既に発症していた者では作業マスクを使用している傾向が強かったが、新規に発症した者では作業マスクを使用してない者の割合が高かったそうです。

職業性の花粉症は、どの程度判っているのか、私個人は全く知識も情報も持っていません。花粉に20年間程度曝露されるとその花粉に感作されて花粉症を発症すると仮定しますと、合点がいく人が私の近くに居ます。その人は、杉の木の少ない地方から40歳で相模原に赴任してきました。60歳になった年に突然と花粉症が現われ、職務に支障をきたすようになりました。「60歳になってアレルギー反応がでるのだから、あなたは若いね」と冷かした記憶があります。

作業マスクの性能がどの程度なのか判りませんが、ウイルスの病気と同じように、アレルギー性の病気も予防が大切です。花粉に曝されなければ、感作されませんから、抗体はできず発症しない筈です。「君子危うきに近よらず」とは言いますが、しかし、花粉と全く無関係には生活できないかも知れません。

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