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277.生ゴミ処理機が作る堆肥. 3-22-02.

生ゴミ処理機を買いました.

二酸化炭素の排出を少しでも削減するのに協力しようと考え、生ゴミ処理機を購入しました。台所から毎日のようにでるクズの処理を始めました。買う前に「手入れが簡単であること、悪臭がでないこと」に注意して機種を選択しました。説明書を読みましたら、「庫内の菌床が標準線を超えたら、一月に一度くらいが目安で、菌床を標準線になるまで取り出してください、取り出した菌床は堆肥として園芸用に使ってください」と書いてありました。ベランダに並べてある草花のプランターの肥料として使えると思い嬉しくなりました。

ところが菌床を草花に肥料として使い出したら、途端に草花が枯れだしてしまい、堆肥をやったプランターの草花は全滅してしまいました。微生物で食べ物の一部である生ゴミを処理するので天然の肥料ができ、草花は化学肥料を与えられたのとは違って元気よくなるとばかり期待していました。どうして枯れてしまうのか不思議なのですが、「草花を枯らしてしまう微生物が生ゴミについているのでしょうか?」というメールをある主婦の方から貰いました。

堆肥がどうして植物を枯らすのか.

私は概念としてはこのような現象がおこることは知っていましたが、直接話を聞けたのはこのメールが初めてでした。家庭用生ゴミ処理機から取り出した菌床を田畑に撒いたり、またはプランターに入れたりすると、本当に植物を枯らしてしまうのでしょうか。生ゴミ処理機からの菌床が園芸用の肥料とならないということを経験した方は実際に多くいるのでしょうか。

「刈り取った麦ワラを入れた田んぼでの稲の生育は悪くなる」ことは昔から言われていることです。麦ワラでも稲ワラでも発酵させて堆肥にします。これが農業の基本のようです。刈りたてのワラはどうして肥料として使えないのでしょうか。養分の積りで施した生ゴミ処理機の菌床や生のワラは、土壌を豊かにしないで、土壌を飢餓状態にするようです。

質問のメールを送ってきた主婦の方に私が書いた返事の概要は次のようなものでした。生ゴミ処理機では、攪拌してあるていどまで生ゴミを細かくし微生物と混合させますから、見かけ上ゴミが消えた(処理された)ようになります。ゴミを入れる前の線まで減容する時間をできるだけ短くするためいろいろな工夫が生ゴミ処理機には施してあると思います。内部の温度は、微生物の働きにより日中は相当に高温になるかも知れませんが、翌朝には室温程度にまで下がっているでしょう。とり易い栄養分が少なくなり微生物の活発な働きが峠を超えるので、温度が下がるのだと思います。

例えば、ブドウ糖はある菌種にとっては大変に食べやすい養分となります。菌種にもよりますが、ブドウ糖が細菌によって食われると、最終的にはいろいろな有機酸が作られます。すると菌床のpHは酸性に傾き、菌種によっては元気に生育するのに都合が悪い環境となります。活発に活動できないと庫内温度は下がりましょう。微生物の活動が弱るまたは止まるのは、かならずしも栄養分が無くなったからとは限らないのです。栄養分はまだ充分にあるが環境が適切でなくなったので微生物の活動が停止することもあるのです。

生ゴミ処理機からの菌床を堆肥として土壌に施すと、菌床中および土壌中に存在していた微生物が菌床中に残存している養分を食って元気良く殖え続けます(2ヶ月間ほど続くようです)。その時、微生物がある基準以上に殖えると発酵して熱が発生します。最終的に土壌中の栄養分、特に窒素分が欠乏する状態になって初めて発酵が止まります。発酵が止まったときその土壌は窒素分の飢餓状態となります。

生ゴミ処理機による生ゴミの処理は、短時間に即席的に微生物に食わせて発酵させています。一般的にも有機物を微生物の力を借りて発酵させ堆肥を作ります。堆肥は天然物から自然が作り出した土壌を豊かにする栄養分です。生ゴミ処理機の菌床は発酵途中で、発酵がまだ成熟しきっていなのです。菌床を単独または土壌と混ぜて2ヶ月間ほど放置して発酵を進ませると完熟し土壌に豊かさを与える堆肥となります。未完熟の菌床は良い肥料とはならないのです。

生ゴミ処理機を使うメリットは多々あるでしょう。しかし、一月に一度程度の割合で取り出す菌床は、結局のところ堆肥としてはあまり使えないのかもしれません。庭の広い家庭では庭の隅にでも菌床を放置して完熟するのを待つ事もできますが、普通の家庭では使えない菌床は廃棄物となってしまいます。二次的な廃棄物がでない生ゴミ処理機は売られているのでしょうか。

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