279.旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)の予防. 4-8-2002. エコノミークラス症候群は静脈血栓症 飛行機内で起こるエコノミークラス症候群については、「227.エコノミークラス症候群と218.航空機内での心臓発作の予防法」で一度紹介しました。今回もこの話題についての情報です。 「エコノミークラス症候群」と俗に呼ばれ突然に死を招く恐ろしい病気は、飛行機のなかで長時間、同じ姿勢(在位)を取った後に起こる特徴的な静脈血栓症(旅行者血栓症)です。 この病気が発症する背景には、ます一万数千メートルの上空を飛行することから、静脈内での血液の流れが悪くなり、そのため血液が固まるのが亢進するという状況があります。下肢の静脈で血流の低下が起こると、静脈弁で血流が停滞し、逆流することにより徐々に血液の塊ができ大きくなります。肥大化した凝血塊は巨大な血栓となり、これが崩れて血流で全身に運ばれます。肺臓の動脈をふさいだ血栓は、非常に重篤な肺血栓塞栓症となります。 実際に軽症では、本人は血栓がつまったという意識かないか、または軽いめまいや息苦しさを感じてもお医者さんに診てもらわない場合もかなり多くある可能性が考えられます。 飛行機内の環境と静脈血栓症 エコノミークラス症候群は、少し高い料金を払ってビジネスクラスに乗っても、発症率は多分あまり変わらないと思われます。ではこの病気は、どのような事柄・要因が関係するのでしょうか。飛行機ないでの行動などとの関係から調べた結果を紹介します。 静脈血栓症や肺血栓塞栓症は、静脈内で血液がうっ滞する(流れが悪くなる)ことと血管ないで血液が固まることにより起こります。その要因として次ぎのような仮説が提唱されています。 10,000メートルを超える上空を飛行中の機内は、一般に低酸素状態で更に極めて湿度が低く10%またはそれ以下となるそうです。そのため無意識のうちに水分が足りなくなり、時間が余りすぎと感じたりまたはノドが乾いたと感じてアルコール飲料を摂取すると、地上よりは酔いやすく、アルコールの利尿作用からオシッコとして体内の水分が失われます。失われた水分の補給が充分でない場合が多く、また人によっては更にアルコールを飲む傾向が多いようです。低い湿度、アルコールの利尿作用と水分の補給不足が脱水状態を起こし、血管内を流れている血液の濃度と粘度を上昇させ、数年前までは人によってタバコを吸うので機内の低酸素状態と重なって、低酸素状態と脱水状態が血液の凝固を促進させる。 |