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304. 業績と人物の評価11-26-2002.

去る109日に今年のノーベル化学賞が島津製作所の主任田中耕一氏と発表されました。「全く無名な技術者の授賞」と大変に驚いた人が多くいたようです。新聞などにもそのような活字が見られました。全く無名である筈がないのに、「全くの無名」とは大変に失礼な表現と私は感じました。誰かが田中耕一氏の存在に気がつかなかっただけの話ではないでしょうか。

島津製作所、東北大学や京都大学、生化学会などを含む国内のだれ一人として田中耕一氏の業績や存在を仮に評価していなかったと仮定したとしても、スエーデンのノーベル財団だけはどうして日本・京都の島津製作所の田中耕一氏をノーベル賞級の業績をもつ科学者と判断できたのでしょうか。

組織内で普通に行われている評価は、上位者が一方的に下位者の業績や人物を評価することが多いと思います。「上位者の権力に胡麻スリが上手であっても人の本質を客観的に評価する能力に欠ける」人物の下に所属させられた部下は、正当に評価されることがあるのでしょうか。島津製作所は本人の希望を尊重していたようですが、田中耕一氏は業績に見合う正当な評価を受けていたのでしょうか。この雰囲気が「全く無名な技術者」と言わせたのではないかと思います。

「人を評価する人物」を部下が評価する仕組み、上下関係だけでなく相互に評価し合う関係も根付かないと、人が正当に評価されることは難しいでしょう。研究業績でも人物でも他人を正当に評価することは簡単ではありません。しかし、国内での評価は「無名」であってもノーベル財団の評価は「ノーベル賞に値する」との評価であったわけです。ノーベル財団の判断は、財団独自の評価システムから導き出された結果であって、この評価が間違っていると訴える人がいるのでしょうか。田中耕一氏のノーベル賞授賞は、国内に計り知れない革新的な衝撃を与えると私は期待しています。

 

 

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