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329. 麻疹ワクチン接種者にハシカの発症者 8-30-2003.
 
大分まえの曖昧模糊に「39.日本はハシカの輸出大国.3-24-97.274.成人にハシカの流行. 2-28-02. 」などを掲載してあります。ワクチンに対する不信感や無知などからワクチン接種に無関心な人が多い不思議な国で、日本人がハシカのウイルスを持ち込むので困っている国があることを紹介しました。今回はワクチンを接種していてもハシカに感染する人がいることについてお知らせします。
 
日本臨床ウイルス学会に「ワクチン既接種者の麻疹発症が増加」という課題で高知医科大学小児科学の前田明彦博士らの報告がありました。これまでに紹介してきた内容と異なりますのでここで概要を紹介します。
 
わが国では1978年から麻疹ワクチンの定期接種が開始されているにもかかわらず、各地で麻疹の流行が見られることから、ワクチン接種者であっても不完全な免疫状態になっていると考え、前田博士らは、高知県で起こった過去3回の麻疹流行について調査した。
 
麻疹を発症した男子62名を調査した場合、麻疹患者は62名中29例(46.8%)、ワクチン接種率は83.9%、既接種者の罹患率は55.3%未接種者の罹患率は33.3%であった。
 
ワクチン既接種者に発症した麻疹の臨床像は、発熱期間1〜3日が約40%で、発疹の分布が顔にとどまり、色素沈着を残さない例や結膜炎を伴わない例が多く、ポクリック斑の欠如、合併症も10%未満であった。ワクチン接種後7〜10年経過している者で、9〜20%と高い発症率が認められた。
 
症状が軽症化する傾向が認められ、抗体価が初期から高力価であったことから、ワクチン接種後数年経過したために抗体価が低下することが原因と考えられる。したがって、ワクチンの2回接種が望ましいとの結論を述べている。
 
副作用の少ない優秀な生ワクチンが開発される前は、ハシカウイルスを殺した死(K)ワクチンが広く用いられました。その後死ワクチンを最初に接種し、次に生ワクチン(L)を接種するKL時代がありました。このKLワクチン接種は、すぐに中止となりました。理由は、強固でなく半端な免疫状態の人がハシカウイルスの感染を受けると、ワクチンを接種してない人が自然に感染した場合より、重症なハシカを発症することが判明したからでした。
 
ここに紹介した高知医科大学小児科学の前田明彦博士らの報告でも、「ワクチンを接種してある人のハシカを発症した率が55.3%で、ワクチンを接種してない人の感染率が33.3%であった」との奇妙な現象が観察されました。これは生ワクチンの持続期間が予想より短いことを示すのかもしれません。そのためワクチンの2回接種が望ましいとの結論に達したものとおもわれます。

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