342. 蚊取り線香の煙は安全ですか.12-30-2003.
蚊が媒介するマラリアや西ナイルウイルスの感染者の増加に対する関心が高まるにつれて、これらの病気の感染から逃れるために、米国で蚊取り線香の売り上げが上昇しているそうです。米国のニュージャージー医科歯科大学とラトガース大学からの2件の研究によると、中国から輸入されている蚊取り線香の使用には問題があると指摘されています(Environ. Health Perspect. 111:1454-1460, 1439-1440, 2003) 。
蚊取り線香の煙は肺に吸い込まれ、短期的には喘息を、長期的には肺ガンを引き起こす可能性のある超微粒子を放出することが問題であるようです。蚊取り線香はシックハウスの原因となるホルムアルデビドも放出し、1本の蚊取り線香からのホルムアルデビド量は「51本のタバコ」を燃やすのと同等であるという。
またカリフォルニア大学では、インドネシアと米国で販売されている蚊取り線香を質量分析器(ガスクロマトグラフィー)で解析したところ、米国では許可されていないオクタクロロジプロピルエーテルが顕著な範囲で検出されたという。窓を閉め切った部屋でこのような蚊取り線香を使用すると、使用者が強力な発癌物質にさらされると指摘している。更に、インドネシアだけでも毎年約70億個の蚊取り線香が消費されているので、アジア諸国での健康への影響は大きいのではないかとも指摘しています。
アメリカで使われている蚊取り線香は、中国からの輸入品のようですが、中国以外の国で作られている蚊取り線香も同じように危険なのでしょうか、この点についての情報はなにも記載がありません。非難めいて書きにくいのですが、中国の製品が悪いのか流通業者が悪いのか良く判りませんが、結果として中国からの商品には問題が多すぎるような気がします。上に書きました「ヤセ薬」も中国のものでした。問題は健康に関することですから深刻に考えてもらう必要があります。
除虫菊で作られている蚊取り線香は、天然の植物であるが、火をつけて燃やすことにより思わぬ成分が放出されるのでしょう。ホルムアルデビドやオクタクロロジプロピルエーテルを放出しない蚊取り線香はできないのでしょうか。日本国内で売られている「電気式の蚊取り線香」の成分と粒径はどのようになっているのでしょう。肺ガンの原因物質を放出することはないのでしょうか。