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347. SARSの死亡率と大気汚染.2-15-2004.
 
カリフォルニア大学の張疫学教授をリーダーとする米国と中国の医師らの合同チームによるSARSによる死亡率についての疫学調査が実施され、その結果が環境学の雑誌に発表されています(Environmental Health, 2:15,2003)。その骨子を紹介します。
 
一般に公表されているSARSのデータを使用して、中国の5地域(省)における死亡率とその地域の大気汚染の状況を比較した。SARS(重症急性呼吸器症候群)の死亡率は、大気の汚染状況に応じて増加していることを示す成績が得られました。
 
中国全体でのSARSと診断された5,327例のうち死亡数は349例(6.55%)であった。ところが大気汚染が100と特に著しい天津などの地域でのSARS患者の死亡率は8.90%、山西省、河北省と北京などの中等度の汚染度地域では7.49%、低い汚染度75の広東省などの地域では4.08%であつた。一方、適切な治療を受けていたと考えられるにもかかわらず、最も死亡率の高かった地区は北京と天津であった。
 
SARS患者の住居や職場などの環境面で、患者の汚染物質への曝露に充分に注意しなければならない。しかし、社会経済的因子や喫煙状況などの影響は認められず、治療への影響もなかった。汚染された大気に長期間曝露されると、急性呼吸器炎症、喘息、慢性閉塞性肺疾患など健康に有害な影響を受けるが、環境危険因子や空中浮遊毒物への曝露により、SARS患者の死亡するリスクが高くなることが判ったと述べている。
 
有機溶媒に弱いエンベロープと呼ばれる外膜をもつインフルエンザウイルスは、乾燥した湿度の低い環境には強い抵抗性を示すが、高い湿度に対しての抵抗性は弱いことを報告したことがあります。微生物学の専門家であっても普通の微生物学を専門とする者はSARSのウイルスを取り扱えませんので、私達もSARSについて調べたことはありません。しかし、湿度とSARSウイルスの生残率とに興味があります。もしかするとSARSのウイルスも高い湿度には弱いかも知れません。何年かの後には明らかにされることでしょう。

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