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370. リストラと心血管障害.8-25-2004. 
 
過去数年間に自殺者の数が多くなりだし、特に働き盛りのお父さんの問題が深刻化してきていることを新聞などでよく見かけるようになりました。俗に言う「リストラ」は、日本国内のみの問題ではなく先進工業国に共通した問題であるようです。リストラで職を失い収入の道を絶たれるのみならず、勤労意欲も削いでしまうようです。微生物と関係はないのですが、リストラと健康に関する報告を見つけましたので概略を紹介します。
 
フィンランド・ヘルシンキにある国立職業保健研究所のバァテラ博士は、全国的な景気後退期の1991年から1993年の間に、フィンランドの4つの町の22,430人の自冶体職員を対象に病気欠勤と死亡の調査をした。その結果、大規模な人員削減ないしは18%以上の削減に伴い、被雇用者に疾患と死亡が増加する、とりわけ最初の4年間で心血管障害による死亡が2倍に増えたことを見出した。また運良く職場に残れた者も同僚から失業者がでたことにより健康を害することも見出された(British Medical Journal 328:555-557, 2004)。
 
フィンランド政府は、国民の健康にさらに大きな悪影響をおよぼしかねない新たな問題も懸念している。その懸念材料は、安い酒である。フィンランド政府は、これまで国家管理経済のなかで酒を高価格に維持してきた。しかし、隣接するバルト諸国がEUに加盟すると、フィンランド人がこれらの国に安い酒類を買出しに出かけることが予測される。そのため、政府は酒の国家管理価格を最大40%まで引き下げることを決定した。週末には酔いつぶれるまで酒を飲む伝統のあるフィンランドでは、この値下げでの措置により、心血管障害や飲酒運転、その他の暴力行為による死亡がさらに増えるのではないかと心配されている。
 
リストラと称する人員削減策が取り入れられ、退職者のリストに自分が上げられていることを発見したとき、または解雇通告が言い渡されたときの精神的なショックは大変なものです。しかし、さらに深刻なのは、リストラされたことを家族の誰にも最初のうち打ち明けられないで悶々としている日々の辛さは他人には理解できないようです。失職してもしばらくの期間は、それまでと同じように家をでて、会社の近くまで行ってしまう。それから1日の時間をつぶす策を考える。5時頃まではなんとか時間を潰せるらしい、しかし、9時や10時までは耐えられない。そのため自宅に帰りつく時間は、どうしても少しずつ早まってしまう。社宅などでは「隣の旦那さん帰宅時間が近頃はやいのでは」と噂される。
ストレスがたまると、結果的に「頭、心臓またはお腹」のどこかに結果が現れます。その前に不自然な精神状態に耐えられず自らの命を絶つ人達が増えてきているようです。その様子をフィンランドの研究者が明らかにしました。ストレスをためないようにしましょう。

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