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377. 変異型ヤコブ病(vCJD)輸血や内視鏡が原因. 10-12-2004.
 
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は、治療法が確立してない難病の一つです。どのようにしてCJDがヒトからヒトに伝播するのかは明確にされていません。これまでの研究で原因が全く判らない弧発性の例、遺伝的な背景が考えられる例と事故などを含む医原病の例の3症例群が考えられてきました。これらの3群とは別にハンバーグ好きな若者にCJDが多発し、これを変異型CJD(vCJD)と呼ぶようになりました。
 
ヒトのCJDが実験動物に伝達でき、伝達性の因子が存在するのではと考えられだした頃、輸血用に血液を売って生活していた売血者がCJDであったことが判明したことがありました。輸血を介してCJDがヒトからヒトに伝達する可能性を検討する目的で、CJD患者血液を大量にサルに接種した実験が行われました。その結果からCJDは輸血では伝達されないとの結論が導き出されました。
 
ところが354. 輸血とヤコブ病で変異型ヤコブ病(vCJD)の感染リスクは、輸血だけでなく、母親から胎児あるいは性的関係にあるパートナー間、外科医や歯科医の手術器具まで可能性があると既に紹介しました。今回はもう少し恐ろしい話題を提供します。
 
牛海面状脳症(BSE)から起こると考えられている変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)のプリオンタンパク質の伝達ルートとして、輸血や内視鏡も可能性があるとする研究が世界的な医学誌であるLancetの『363: 411−412, 2004』、『363: 417−421, 2004』,『 363: 422−428, 2004』に報告されています。公衆衛生学的な側面から新たな難題が浮上してきました。
 
vCJDで死亡した患者に輸血を受けた過去があり、その血液の供血者も供血後にvCJDを発症していたとの研究が発端となりました。サルを用いた研究からvCJDの感染は、口腔内と静脈内に投与しても同等であり、脾臓、扁桃などのリンパ組織や中枢神経系のみならず、十二指腸から直腸におよぶ全消化管やパイエル板、腸管の神経節、腸管粘膜の神経線維など抹消の運動神経や自律神経系にもみとめられた。
 
今回の症例は、vCJDが輸血で感染する可能性のあることを示している。経静脈的に感染する医原性のvCJDも輸血や臓器移植、手術での感染防止に予防的な手段が必要である。
 
 
感染しているがまだ発症していないプリオンキャリアがどれほど存在するのかは推測すら現状ではできません。371. 牛肉検査が変更されるに食肉の安全性に対する危惧の念を書きました。日本国内ではvCJDの発症者はいまだ認められていませんが、vCJD患者から輸血された者はvCJDを発症する可能性が高いと考えられますから、これらの人は供血しないような指導も必要となりましょう。世紀末的な様相を呈してきたような恐ろしさを感がしました。

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