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388. 歯科用充填材の水銀問題. 1-29-2005.
 
昔話
電気生理学が専門で脳の神経細胞の活動電位を研究している先生と交わした20年近く昔の話に遡ります。その電気生理学の先生の研究は、ネコの脳を実験の場として使い、自分で作った極めて細い針を神経細胞に刺して、その細胞から発せられる微弱な電気の計測を徹夜で行なうのが常でした。根気、体力や忍耐力がないとできない研究なのです。
実験を研究室の人に頼み、実験の合間に少しの息抜きの時間を作り、前触れもなくブラリと私の研究室に顔を出すことが時にありました。そのような時には美味しいコーヒーを飲みながら、他愛もない話をするのが常でした。
ある時、脊髄カエルの話になりました。詳しい話の内容は記憶していませんが、カエルの筋肉に金属のピンセットを触れると、筋肉がピクットと収縮するのはどうしてかなど中学での理科の実験に話がすすみました。その時、虫歯に詰めてあるアマルガムは微弱な電気を発しているのではないかと途方もないことを聞いた記憶があります。
 
歯科充填材の水銀問題
米国ピッバーグ大学のMeryl Karol博士らは、1996年1月から2003年12月の期間に発表された950件以上の論文を分析した結果、歯科治療用充填材に含まれる水銀がヒトの健康の障害になると断定するには、証拠が不十分であるとの結論を報告した(MT 11-11-04)。
歯科治療用充填材に含まれる水銀は有害でないと見られるが、魚介類を介して摂取される水銀の健康に対する懸念はいまだに続いている。米国食品医薬品局FDAは、妊娠中または介護を受けている女性や幼児が「メカジキ、アマダイ、オオサワラ」など高濃度の水銀を含む魚を摂取することは危険だと警告を発しています。
 
水銀リスクを抑える魚の食べ方
フィンランドのクオピオ大学のJykri K. Virtanen博士らは、水銀のリスクを抑えるための提案をしています(Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology 25:228-233,2005)。
1. 種類の違う色々な魚をたべる、
2. プランクトンを捕食する魚は水銀濃度が低い。但し、ポリ塩化ビフェニール(PCB)などの環境汚染物質を含む可能性がある、
3. 水銀含有量が多いことが判っている湖の魚を食べることは避ける、
4. 脂肪の多い魚を週に2回摂取するだけで抗酸化作用などの魚油の効果を充分に得られる。
としています。

水銀をはじめとする金属の環境中の蓄積が問題となっています。自然生態系においては、人間が何がしかの物質で汚染されていることが判明したとすると、そのことは食物連鎖のサイクルの汚染を意味しているようです。水圏に水銀が流れ込んだとします、植物性プランクトンが体内に取り入れ、それを動物性プランクトンが喰う。小魚がプランクトンを喰い、大・中型魚が小魚を食し、それを人間が食料として食べるのです。貝柱はウイルスによる汚染も少ないのですが、貝類の腸管はウイルスが濃縮されていることは珍しくありません。このことを拡大解釈すると、例えば「塩辛」などはワタを使った保存食ですが、水銀などの金属の含有量が結構高いのと違いましょうか。このような私の疑問に応えてくださる方はおられないでしょうか。期待しています。

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