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392. HIV感染者の25%に骨粗しょう症. 12-20-2004.
 
HIVの感染者は、年齢的に若く経済活動を担うべき年齢層の人々と子供達に多いようです。アフリカの一部の国では、エイズの影響で国の平均寿命が40歳をきってしまったところもでてきています。国家が滅亡するかもしれません。
 
抗HIV薬は、極めて貧しい患者には高価すぎて継続して治療を受けにくいことがあります。そのため感染イコール死亡とまではいかないまでも、かなりの確率で死亡することは確かです。そのうえ心理的な差別感や疎外感にもHIVの感染者は悩まされています。
 
1997年以降、欧米ではHIV感染者に骨減少症と骨粗鬆症が生ずることが報告されています。高齢者でない患者においても、骨が軽くなりカスカスになっていることが多いというのです。
抗HIV薬の副作用なのか、食事のせいなのか、運動不足のためなのか、日光浴の時間が足りないのか、その他の理由が原因なのか良く判らないようです。
 
わが国でのHIV感染者の骨代謝に関する調査研究は、ほとんど行われていませんでした。昨年の感染症学会に奈良県立医科大学の古西満先生らによって、HIV感染者の骨代謝と破骨細胞(骨を破壊する細胞)などに関与する因子などについての検討した結果が報告されています。
平均年齢が41歳で男性が36例と女性が3例の39例を対象に検討した。検討項目は、骨の組成、骨の形成、骨の吸収と破骨細胞の分化や活性化に関与する因子を調べました。1例に骨粗鬆症(2.6%)、9例(23.1%)に骨減少症が認められました(10/39=25.6%)。抗HIV薬多剤併用療法を受けている患者に骨密度の低下傾向が認められた。20例(51.3%)では、破骨細胞の分化や活性化に関与する因子の濃度は、骨密度とマイナスの相関が、骨吸収とはプラスの相関が認められました。
 
欧米での成績では、HIV感染者の骨減少症と骨粗鬆症との合併率が30〜70%と報告されているようです。これに比べると比率は低いが、我が国のHIV感染者でも約25%に骨減少症と骨粗鬆症との合併率が存在していることが、この調査研究の結果により判明しました。
骨代謝は約半数の症例で骨吸収パターンであったことから、将来的には欧米の骨減少症と骨粗鬆症との合併率に近づく可能性があると述べています。骨吸収は、破骨細胞によって担われています。この骨を破壊する破骨細胞は、マクロはファージ系の細胞から分化してできてきます。この破骨細胞の分化と活性化は、骨芽細胞により調整されているようです。

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