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401.炎をだして燃える地球最後の燃料. 5-25-2005.
 
ガソリンは安くならない
ガソリンや重油などの燃料の価格が国際的に高騰し、1キロリットルが3万2千円と史上最高値の記録を更新し続けています。車社会の米国でガソリン代の高騰は一般市民の日々の生活にも影響をおよぼし始め、ジェット燃料を大量に消費する大型航空機を運行している航空会社の一部は燃料費代の高騰で倒産し、石油化学製品を製造している化成会社や一般製造業でも石油の値上げは致命的な打撃を与えているようです。いつになったら安い値段に戻るかとエネルギー関係者に質問しても「多分二度と廉くならないだろう」との声が返ってきます。
 
石油は燃やすにはモッタイナイ
ある集会で聞いた話を紹介します。埋蔵量の大きな新油田はこのところ見つかっていない。重油の生産量も世界的にはそれほど増産できない。重油の価格は、重油の枯渇の問題や生産量の問題などから、国際投機の対象になりだし、その結果値上がりが続いている。安い燃料として石油を燃やしてしまうことは、もはや不可能であろう。燃やす燃料としては、石油は高すぎモッタイナイと言うのです。
それで重油や石油は、有限性や高価格から未来永劫にわたり燃焼させて熱を得る燃料としては使えなくなるのはほぼ間違いがないだろうが、天然ガスはしばらくの期間燃料の中心となろう。石油は、貴重な化学物質、合成樹脂、試薬や薬品など付加価値の高い物質を作る原料として使われるようになるとの結論みたいなものに話は落ち着いた。
 
新エルネギー源としての石炭
21世紀には二酸化炭素の排出の少ないクリーンなエネルギー源が求められ、水素、水力、風力、地熱、原子力や核融合などが二酸化炭素排出ゼロのエネルギーでありエネルギー源である。しかし、水素や原子力などで今すぐ全てのエネルギーを調達するのは色々な側面から問題がありそうです。重油、石油や天然ガスに代わりうる直近の新たな燃料は、化石燃料の一種ではあるが埋蔵量が莫大な石炭ではないだろうか。ただこれまでのように石炭をそのままで燃焼させると、流通に不便であるのみならず、SO、NO、COなどの排出量が莫大で大気を汚染することが危惧される。詳細は承知していないが、石炭を液化やガス化するなどの新規な技術開発が進み、黒い煙をださない石炭由来の燃料が近い将来に誕生するのだそうです。この技術が確立されるまでの期間は、液化天然ガスが重油、石油やガソリンに代わるものと推測される。第二次石炭時代の次に正真正銘の水素時代が到来するものと期待されます。
 
炎をだして燃える地球最後の燃料
私はクリーンなエネルギー源としての水素に興味を覚え、廃棄物処理の一環として水素発酵を中心に据えた微生物による省エネルギー型の水素回収型廃棄物処理システムの構築に鋭意努力しているところです。このような立場の者を喜ばせる情報があります。それは最首公司氏の著書「人と火」に次のような主張が記載されているのです。人類の地球上での物質的な繁栄は、炭素数の少ないエネルギーの確保によるのであって、究極の燃料は炭素数ゼロのエネルギーであると。
このような考えからすると、酸素と結合して炎をだして燃える化石燃料系のエネルギー源は、地球温暖化の要因である二酸化炭素を排出するだけでも失格で、その上埋蔵量や製造量などから燃焼させる燃料としては、水素に燃料としての地位を明け渡す時期も近いようです。水素は炎を出して燃える燃料の最後となるようです。
他の燃料と違う水素の特徴は、炭素数ゼロで二酸化炭素を排出しないエネルギー源であるのみならず、酸素との結合を適切に制御すると、爆発的に熱に変換することもできれば、持続的に電気に変換することも可能な物質であることです。このような特徴をもつエネルギー源は水素以外には存在しないようです。従って、重油の価格が高騰しなくても、石油はもはや燃料とはなりえない歴史的な必然性がみえてきます。
地球環境を中心軸として燃料の概念が大きく変革する歴史的な時期に私達はいま生きているようです。

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