▲▲  ▼▼

437. 家庭からの二酸化炭素の排出量. 7-27-2006.
キーワード:京都議定書 標準家族 エネルギー消費 二酸化炭素排出
 
個人で二酸化炭素の排出削減は可能か
二酸化炭素の排出量を削減する国際的な協定が成立し、開催地の名称を使って「京都議定書」と呼ばれています。各国の二酸化炭素の削減目標値が決められていて、わが国の削減値は今現在になると10%超であるようです。世界に向かってのこの公約を日本国は守れそうにないとマスコミなどが言いだしています。現実問題として、国として減らすべき二酸化炭素の量はどの程度であるのか、また国民が削減に協力するとしたら、ガソリンに換算してどの程度の量になるのか、曖昧で目標が判りにくいと思います。そのため国全体での二酸化炭素の排出抑制に個人が協力しようと考えても、具体的になにをどうすればよいのかが全く分からないのが現状と思います。
そこで北国の札幌市に住む4人家族の一家の環境簿とでも言うべき二酸化炭素排出量を把握したと考え、各種の文献やホームページに記載されたデータなどから、標準家庭での一般的なエネルギーの使用量をます調べ、次に二酸化炭素の排出量を計算しました。
 
イチローさん一家の条件設定
イチローさん一家は、北海道の札幌市で木造一戸建てに住み、子供が2人いる4人家族とします。お父さんであるイチローさんは、毎日勤務先に車で片道15kmの所を通勤しています。また、お父さんは2ヶ月に1回の頻度で東京まで出張します。一方、お母さんは、毎日片道5kmあるパートの仕事場に車で通っています。子供たちはいずれも徒歩で通学しています。尚、お父さんが毎日通勤で使っている車は2,500ccのセダンで、お母さんが使っている車は660ccの軽自動車です。このような設定のもと、それぞれの項目について計算します。
 
1.ガソリンの使用量
1) お父さんが通勤で使うガソリンの量
 毎日片道15kmの距離を2,500cc のセダンで通勤しているので、燃料消費率(10・15モード走行)が11.8km/ Lとすると、1年間では・・・30km×20日×12ヶ月=7,200km → 7,200km/11.8km/L=610リットルガソリンを消費していることになります。
2) お母さんが通勤で使うガソリンの量
 毎日片道5kmの所を軽自動車(660cc )で通勤しているので、燃料消費率(10・15モード走行)が23.0km/ Lとすると、1年間では・・・10km×20日×12ヶ月=2,400km → 2,400km/23.0km/L=104リットルガソリンが必要となります。
3) お父さんの東京出張
 札幌市内から新千歳空港までは、片道約40kmの距離です。それをお父さんは自分の車で行くとすれば、1) お父さんが通勤で使うガソリンの量で行った計算と同様に1年間では・・・80km×6回=480km → 480km/11.8km/L=41リットルガソリンを消費することになります。1)から3)までのガソリン消費量の総計は、755リットルとなります。
 
2.ジェット燃料と軽油の使用量
 新千歳空港から羽田空港までは、511マイルなので、約830kmの距離となります。一般的な旅客機の燃費は50m/Lとのことですから1回の出張で使うジェット燃料は・・・ 830,000m÷50m/L×2=33,200Lとなり、2か月に1回の出張なので1年間では・・・ 33,200L×6回=199,200Lのジェット燃料となります。但し、ジャンボ機は一度に500人の乗客が乗っているとすれば、一人当たりでは398.4リットルジェット燃料となります。
 次に羽田空港から出張先である東京駅までリムジンバスで移動するとすれば、羽田空港から東京駅までの距離は約20kmで、リムジンバス(12,913cc)の重量車モード燃費値(km/L)が4.1km/Lとすると・・・40km×6回=240km → 240km/4.1km/L=59Lの軽油が必要となります。但し、一度に20人の客が乗っているとすれば一人当たりは、2.95リットル軽油となります。
 
3.自宅で利用しているエネルギー量
 イチローさん一家は、木造一戸建ての住居に住んでいます。そこで札幌市における木造一戸建ての住居での灯油・都市ガス・電気の使用量を調べた所、下記のようになりました。札幌市での都市ガスの使用量は、意外に少ないのに驚きです。都市ガスは調理用にのみ使用し、暖房やお風呂などは灯油を使うのかもしれません。
 灯油の使用量=1,756.4L/年
 都市ガスの使用量=69.1m3/年
 電気の使用量=4,056.9kWh/年
 
4.イチローさん一家からの廃棄物の種類と量
 家庭から出る廃棄物としては、燃えるゴミ・燃えないゴミ・びん・缶・プラスチックなどがあり、さらに下水などの生活排水も含まれます。このうち燃えるゴミは、ほぼ全てが生ゴミとすれば、カーボンニュートラルの考えから二酸化炭素の排出量としてはカウント不要となります。それ以外の燃えないゴミやびん・缶などについては、排出量の統計はあるのですが、二酸化炭素の換算値が不明のため、今回は計算から除外します。生活排水や水道水も同様とします。
但し、プラスチックについては、二酸化炭素の排出係数がわかりますのでカウントすることとします。その場合・・・平成16年度の札幌市のゴミ排出量より、プラスチックゴミは総合計で19,382トン排出です。平成16年度の札幌市の人口は、1,872,703人ですから、一人当たりでは、約10kgのプラスチックゴミの排出なることになります。イチローさん一家は4人家族なので、プラスチックゴミを年間40kg排出することにします。
 
二酸化炭素の排出量の計算
各エネルギー源の使用量などから二酸化炭素の排出量を計算しました。尚、二酸化炭素の排出係数は、表1に示した数値を用いました。
 
表1 二酸化炭素の排出係数
     エネルギー源など          二酸化炭素排出係数
       灯 油              2.51kgCO2/L  
       ガソリン              2.31kgCO2/L  
      ジェット燃料             2.4kgCO2/L  
       軽 油              2.64kgCO2/L  
       都市ガス            2.15kgCO2/m3  
       電 気             0.357kgCO2/kWh 
     プラスチックゴミ            2,680kgCO2/t  
 
二酸化炭素の排出係数とエネルギー源などの消費量から算出した二酸化炭素の排出量は、表2に示しました。
 
表2 1年間に排出する二酸化炭素量
エネルギー源など 使 用 量 二酸化炭素排出量
灯 油 1,756.4L 4,408.56kg   
ガソリン 755L 1,744.05kg
ジェット燃料    398.4L 956.16kg
軽 油 2.95L 7.8kg
都市ガス 69.1m3 148.57kg
電 気 4,056.9kWh 1,448.31kg
プラスチックゴミ 40kg 11.2kg
総  合  計 8,724.65kg
 
標準家族のイチローさん一家は、一年間に約9トン近くの二酸化炭素を排出していることが判りました。本来はもう少し大きい数値となるはずですが、なんと莫大な数値になったのには本当に驚きです。約9トンの二酸化炭素は、4トン車で2台分の重量で、100畳敷きの大広間一杯分の容積となります。なんだか判らないで無意識に使用している灯油やガソリンは、使用重量の二倍以上の二酸化炭素となることが判りました。
 
これらの二酸化炭素排出量をいくらかでも削減する必要があります。さてどうしましょう。よい対策がありましたら教えてください。尚、二酸化炭素排出係数をはじめとする数値の出典などは、「環境と生物」に掲載してある『平均家族の二酸化炭素排出量』に掲載してあります。興味ある方は、「環境と生物」を読んでください。

▲▲  ▼▼



Copyright (C) 2011-2017 by Rikazukikodomonohiroba All Rights Reserved.