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463. 携帯電話と発癌. 3-30-2007.
キーワード:携帯電話 発癌リスク 脳腫瘍 白血病
 
携帯電話が脳腫瘍などの発癌リスクを高めるのではないかと懸念されます。顔や頭の近くから微弱といえども電波が発信されているわけですから、細胞に何らかの影響(害作用)を与えても不思議でないと考えられるわけです。この疑問に応える調査研究の結果がデンマークから報告されました(Schuez J,ら Journal of National Cancer Institute 98: 1707 - 1713, 2006)。最長で21年間の携帯電話の使用をふくむ追跡調査で、携帯電話と脳腫瘍との関係は認められなかったと述べています。その概要を紹介します。
 
 
1982年から1995年にかけて初めて携帯電話の使用を契約した約42万人(ガンの発症を追跡できた人)の調査にこの発表の成績はもとづきます。この集団で観察されたガンの発症例数を、デンマークの全人口におけるガン患者の予測数で割り、標準発症率を算出しています。
 
2002年までの追跡調査期間に男女合わせて14,249例にガンの発症が認められました(14,249人/420,000人=3.39%)。この数値から算出した標準発症率は、0.95(95%の信頼限界は0.93〜0.97)でありました。携帯電話使用者の標準発症率が0.95と1.00より大きくないことに意味があります。携帯電話の使用は、電話機と近い距離にある臓器の脳腫瘍、聴覚神経腫瘍、唾液腺腫瘍、眼腫瘍や白血病の発症率が高くなる現象は認められませんでした。また10年以上の長期間にわたる携帯電話の使用者においても、脳腫瘍の発症リスクの上昇は認められませんでした。
 
この結果からデンマークの研究グループは、携帯電話の短期間または長期間の使用であっても、ガンの発症との関係は認められなかったとしています。

 
高電圧線や携帯電話から発せられる電波が人体に悪影響をしているのではとの危惧の念は、かなり以前から取りざたされています。ここに紹介しましたデンマークからの調査研究の成績は、単に「携帯電話の使用者に何人の発ガン患者が観察されました」というのでなく、約42万人の対象例の発症率を国民全体の発症率と比較していることから、信頼性は高いものと思われます。しかし、物事に対して好き嫌いがあるように個人による感受性に差があっても不思議ではありません。集団としての発癌率に差がないことが、個人としても差がないとは必ずしも言えないかもしれません。と言うのは、携帯電話からの電波に対する感受性と携帯電話の使用時間は、個人による差がないのだろうかとの疑問からです。

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