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497. ニコチンが肺ガンの治療阻害.6-11-2008.
キーワード:ニコチン、肺ガン、化学療法剤、治療効果阻害、
 
南フロリダ大学癌研究センターのSrikumar Chellappan博士らは、タバコに含まれるニコチンは肺ガンの治療薬の効果を阻害し、薬剤療法への応答が悪化する可能性があると発表しました(PNAS 2006、オンライン版)。
 
ニコチン自体は発ガン性物質ではないが、腫瘍の成長を促進する生物学的回路に影響を与える可能性があるという。Chellappan博士らは、ニコチンが代表的な肺ガン治療薬、ゲムシタキシン、チスプラチンとパクリタキセルの三種類の薬効に影響するかどうかを調べた。
その結果、試験管内で培養されているさまざまなガン細胞株に平均的な喫煙者の血中に存在すると考えられる少量のニコチンを加えて培養を続けると、ニコチンを加えないで培養している培養細胞に対するこれらの薬剤が細胞を死滅させる能力をニコチンは減退させることが判った。
ニコチンは二種類の遺伝子を調節して、細胞の自殺現象・アポトーシスを阻害することで、ガン細胞を保護するものと見られている。Chellappan博士らは、これらの遺伝子の発現を抑制したところ、ニコチンによる保護効果は除去されてしまったという。
 
 
タバコの害については、いまさら述べる必要もないと思います。しかし、タバコの習慣性は、ニコチンによると考えられています。上の論文でも触れられているように、ニコチン自体には発ガン作用はないが、ガンの治療薬であるパクリタキセルなどの化学療法剤がガン細胞を死滅させるのを阻害してしまうようです。禁煙してもパッチやガムのようなニコチン補充剤を使用すると薬剤療法の効果を減弱させてしまう。パクリタキセルは、子宮ガンや乳ガンにも効果がある薬剤でから、喫煙の習慣のある患者ではその効果はあまり期待できないのかもしれません。喫煙は、やはり「百害あって一利なし」と思います。

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