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502. 大麻・マリファナの副作用.8-8-2008.
キーワード:大麻、マリファナ、副作用・害、大麻取締法、幕内力士逮捕、
 
マリファナとは
マリファナは、大麻草の花、茎、種子、葉などを乾燥させ、切り刻んだ混合物のことで、緑色、灰色や茶色の色をしています。紙で巻いてタバコの様にするか、あるいはパイプに詰めるかして、火を点けて煙を吸うことが多いようです。
 
インド麻は、2000年以上前から中央アジアで品種改良され、一般的な大麻より多くの陶酔成分を含むので一般に嗜好品としての大麻と言えばこのインド麻を指すようです。またインドやジャマイカなどでは神の草と称され、嗜好品としてだけでなく日常的な労働の中でも用いられているそうだ。
 
マリファナなどの大麻の生理作用を示す主な化学物質がTHC(テトラヒドロカンナビノール)です。脳にはTHCに対するレセプターのある神経細胞が存在します。このレセプターにTHCが結合すると、いわゆる「精神的にhighな状態」を感じると考えられています。
 
THC類似の化学物質は、大麻中に少なくとも60種類も存在しますが、生物学的に作用が認められるのは数種類で、最も強力なのがTHCと考えられています。
 
マリファナは、摂取される量により作用に違いが見られる。例えば、鎮静作用は少ない量で、幻覚作用は多い量で見られると言われている。
 
 
大麻・マリファナの害(副作用)
大麻・マリファナの使用は、身体的にも精神的にも種々の害のあることが知られています。
 
1)発ガン性物質の存在
「495.マリファナが肺ガンの危険因子」でも紹介されているように、マリファナの煙にはベンゾピレンなどの発ガン性物質をタバコの煙より50-70%も多く含んでいるとされています。フィルター付きタバコ1本吸うのと比較すると、マリファナを1本吸った場合には、肺に沈着するタールの量は4倍と言われています。吸う頻度が同じであれば、タバコを吸うよりもマリファナを吸う方が、肺癌などの癌になる危険性は高くなる可能性があるのです。
 
2)脳・神経への害
マリファナを吸うと、煙の中にあるTHCが肺から血液中に入り、血流にのって全身をまわります。血流中のTHCの一部が脳の神経細胞のTHCレセプターと結合し、その神経細胞に影響を与えます。
 
THCレセプターが多く存在する脳の部位は、喜び、記憶、思考、集中、感覚、時間の認知、協調運動などに関係する部位です。マリファナを吸うと急速に異常が見られます。
 
マリファナの使用による短期的影響は、記憶、学習、思考、問題解決などの困難、知覚の変化、緊張の緩和、高揚感、多弁、心拍数の増加、食欲の増強等ですが、不安、パニック、うつ状態、そう状態、攻撃的行動、妄想、幻覚等が見られる場合もあります。
 
3)心臓への害
マリファナの使用は、血液の酸素運搬能力を低めます。マリファナの使用後1時間以内に心臓発作が起こる危険性は4倍以上に上がるとされています。マリファナは、煙が吸い込まれて数分の内に、心拍数を増加させることがある。通常、心拍数は1分間に70−80回ですが、さらに20−50回増加させたり、2倍に増加させたりして心臓に負担をかけることがある。また、眼の血管が拡張し眼が赤く見えることもあります。
 
4)禁断症状
マリファナの長期の使用は、自発性の喪失や無感情、成績の低下等を誘導することもあり、さらにマリファナの依存症となり、禁断症状が現れることがある。マリファナが断たれてから1-2日以内に禁断症状が現われることがあります。マリファナを少量でも5日間繰り返し使用することで禁断症状が見られることがあります。
 
禁断症状は、短気、不安、抑うつ、攻撃的傾向、不眠などの睡眠の異常、食欲不振、体重減少、悪寒、疲労感などです。禁断症状の大部分は、マリファナが断たれてから10日までの期間内で認められるが、28日経過しても症状が残る場合もある。
 
マリファナへの渇望や禁断症状により、マリファナ常習者はマリファナを止めることが難しいのです。大麻・マリファナの使用は、統合失調症やそううつ病を悪化させると考えられている。
 
大相撲間垣部屋に所属するロシア出身の幕内力士、若ノ鵬寿則容疑者(20才)が大麻取締法違反(所持)で逮捕された。力士の逮捕は前代未聞の事件である。大麻・マリファナは、麻薬取締法での取り締まりの対象とはなっていない。しかし、脳細胞や神経細胞に作用することから、大麻取締法で厳しく規制されている。この大麻取締法では、大麻の無許可所持または大麻の使用は最高刑が懲役5年の犯罪であり、営利目的の大麻草の栽培は最高刑が懲役10年の犯罪である。「495.マリファナが肺ガンの危険因子」でも紹介したように、大麻・マリファナは肺ガンの危険因子であり、その他、統合失調症やそううつ病を悪化させることが知られている。大麻を通常のタバコのような嗜好品と勘違いしている若者が多いように見受けられる。しかし、そんな生半可なものではないのだ。大麻・マリファナの常習者は、「マリファナを止めますか、それとも人間を止めますか」の選択を真剣に考える必要がある。

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