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506. 胃ガン予防にピロリ除菌が有効. 10-2-2008.
キーワード:ピロリ菌、除菌、胃炎、胃ガン、動物実験
 
胃ガンは、世界全体の死因としては第二位であり、世界人口の約半数がピロリ菌(Helicobacter pylori)早期発見と早期治療では昔よりは治療効果が見られるようになってきた。しかし、それでも胃ガンの種類によっては、確定診断後の生残率はそれほど高くなくない怖い腫瘍である。
 
米国MITのJames G. Fox博士らは、胃炎と胃ガンの新しいモデルマウスを用いて、ピロリ菌感染と胃ガンとの関係を調べる実験を行った。ピロリ菌感染の早期治療が胃がんの予防に最善であるとの結果をガン専門誌に報告した(Cancer Research 68: 3540-3548, 2008)。
 
その成果の概要は次のようである。「胃ガンの予防効果は、ピロリ菌に対する除菌療法を感染早期の段階で行った場合が最も大きいという」結論に達したと述べ、「除菌療法の開始が遅れた場合でも、胃ガンにつながる病変の進展を遅延させることができた」と説明している。
 
胃ガンを発症するのは、ピロリ菌の感染者の約3パーセントにすぎず、発ガンまでには数十年を要する。とするとどの段階で除菌療法を開始するのが最大の効果が得られるかを知るために、今回の実験をおこなった。
 
ピロリ菌の感染後8週間のマウスを治療した場合は、無感染マウスの対照群で認められるリスクと同等まで低下した。しかし、感染12週間後あるいは22週間後に治療を開始したマウスでは、炎症や前ガン病変などがもとの状態に戻ることは認められなかった。また、感染のどのタイミングで治療を行っても、抗菌薬による治療を受けたマウスでは、重症度が軽減していた。
 
Fox博士らは、最後に全世界のピロリ菌感染を抑制するために、高価な抗菌薬を使用することはできないので、胃ガン発症の高リスク者に集中して治療を行うべきと考えている。高リスク者とは、既に消化性潰瘍に罹っている人や、第一度近親者に胃ガン患者がいる人であると述べている。
 
胃ガンや大腸ガンなとの消化器ガンは、転移する率が高く、ある程度まで進行して、本人が自分の体調の不良に気がつく時には、既にかなり進行している場合が多い。その時の病態にもよるが、その後急激な体重の減少が起こり、外観的にも「ヤセ細る」のが顕著になることが多い。そのような胃ガンを予防するには、ピロリ菌の除菌治療が効果的であることが判ってきている。しかし、抗菌薬で除菌治療を行っても85%の人では除菌に成功するが、残りの15%の人では完全な除菌ができないこともあり得えます。その場合は、抗菌薬の変更などをして、再度ピロリ菌の除菌治療を行います。ピロリ菌が抗菌薬に抵抗性であることも考慮して、早期に除菌療法を受けることをお勧めします。

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