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530. 熱いお茶は食道ガンのリスクを高める.8-10-09.
キーワード:食道扁平上皮ガン、熱い紅茶、発症リスクを高める
 
テヘラン大学消化器疾患研究センターのReza Malekzadech教授らの研究グループは、70℃以上のヤケドしそうな熱いお茶を飲む習慣のある人では、食道ガンのリスクが高まると発表しました(BMJ338:929,2009)。
 
世界では食道ガンにより年間50万人を超える人々が死亡しており、そのなかでも食道扁平上皮ガンが最も一般的であります。欧米では食道ガンは、男性に多くみられ、喫煙や飲酒が主な原因とされますが、熱い飲み物も危険因子と考えられています。
 
イラン北部のGolestan州は、食道扁平上皮ガンの発症頻度が世界で最も高い地域のようですが、喫煙率やアルコールの消費量は低く、女性でも男性でもほほ同等に発症しています。Malekzadech教授らは、同地域でひろく浸透している喫茶習慣と食道扁平上皮ガンの関係を明らかにする目的で症例研究を行いました。
 
調査対象は、食道扁平上皮ガンと診断された群300例と同地域に住む健康な対照群571例で、紅茶の飲み方や消費量を調べ、食道扁平上皮ガンの発症リスクについて比較検討しました。
 
両群ともにほほ全員が紅茶を習慣的に飲んでおり、1日当たりの平均消費量は
1リットルを超えています。食道扁平上皮ガンのリスクは、65℃未満の温かい、あるいは少し温かい紅茶を飲んでいる人に比べ65〜69℃の熱い紅茶を飲んでいる人では2倍も高く、70℃以上のヤケドしそうな熱い紅茶を飲んでいる人では8倍も高いことが判ったようです。
 
また紅茶を注いでから2分以内に飲んでいる人の食道扁平上皮ガンのリスクは、4分以上たってから飲んでいる人に比べ5倍高かった。紅茶の消費量と扁平上皮ガンとの間に関連性は認められなかったとしている。今回の調査結果は、熱い紅茶を飲む習慣のある高リスク集団に対して、そのリスクの高いことを周知させることにより、熱い紅茶を飲む習慣のある地域での食道扁平上皮ガンの罹患率の低減につながる可能性を示唆していると述べている。
 
 
ヘルペスウイルスの一種にEBウイルスと云う腫瘍を作るウイルスがあります。このEBウイルスは、アフリカ人にリンパ腫、中国人に上咽頭ガン、世界的には伝染性単核球症を引き起こします。中国人に上咽頭ガンが多いのは、熱いオカユを好むからであろうとされている。今回の知見も70℃以上の熱い紅茶を飲むことによって、食道扁平上皮ガンの発症リスクが著しく高まることを示すもので、熱傷が上皮性腫瘍の要因となるという概念を支持しているものと解されます。しかし、熱が腫瘍の進展を促進するカラクリは不明で、さらなる研究が必要であろう。英国人の紅茶好きは有名であるが、健康へのリスクを避ける理想的な温度は56〜60℃であることを英国では示されています。

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