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539. 肛門周囲湿疹患者の局所の洗浄法. 4-23-10.
キーワード:肛門周囲湿疹、刺激性湿疹、ハンドシャワー
 
ドイツ・ニッテンドルフのプライマリケア医大のFrederik M. Mader博士は、肛門周囲に生じる皮膚症状で最も多いのは激しい痒みであり、こうした症状の大半は刺激性・毒性の湿疹によるもので、排便後には水道水で洗浄するよう勧め、過敏となった皮膚をトイレットペーパーで傷をつけないよう助言すべきだと国際会議で呼びかけた(国際会議 Practica, 2010)。以下にその概略を紹介します。
 
肛門周囲湿疹の大半が刺激性−毒性で局所療法の対象となるが、アトピー性皮膚炎、接触性湿疹や乾癬との鑑別は必要である。刺激性−毒性湿疹の初発症状は多くの場合が痒みで、発赤、鱗屑、亀裂以外に掻破痕が認められる。失禁、痔核に伴う漏便、痔瘻が関与している場合、そうした基礎疾患の治療が先決である。
 
肛門周囲湿疹の患者の多くは軟便で、肛門周囲の皮膚はごくわずかな漏便により刺激を受けて過敏になっている。このような患者は、排便後に何度もふくため、皮膚をさらに傷つけるという悪循環に陥る。
 
Mader博士は、このような患者への指導は具体的で判りやすいものでなければならないと強調している。トイレットペーパーは無地の白いものを用い、排便後もふくのは3回までにし、あとはビデやハンドシャワーなどで汚れを洗い流す。ウエットティッシュには多くの添加剤が使用されているので患部への悪影響が懸念されるので、患者にはウエットティッシュを使用しないよう注意を与える必要があると述べている。
 
 
塩素が規定濃度に含まれる水道水の殺菌力は、思ったより強いものです。今回紹介したような肛門周囲の湿疹などには、ウエットティッシュの使用よりは水道水での洗浄の方が効果的と思います。現在日本国内のトイレは「温水洗浄便座」がかなり普及して来ている。ところがこの温水洗浄便座は、アメリカで医療・福祉用に開発されたものである。しかし、初期のこれらの商品は温水の温度調節が難しかったことから、温水の温度が安定しないために火傷を負う利用者もいたほか、価格も高く普及には程遠かった。今回紹介した報告はドイツ人によるものであることも要因かもしれないが、ビデやハンドシャワーなどは紹介されているが、温水洗浄便座の使用についての言及はない。ハンドシャワーよりは温水洗浄便座のシャワーの方が良いと思われるが、温水洗浄便座を使いすぎると肛門周囲炎を引き起こす危険性が危惧されます。

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