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543. 宇宙船内の微生物汚染
キーワード:宇宙ステーション、きぼう、微生物汚染、免疫力低下
 
宇宙ステーション「きぼう」は微生物汚染なし
 帝京大学医真菌研究センターの槇村浩一准教授らは、国際宇宙ステーションにおける微生物管理のための基礎的研究に取り組んでおり、国際宇宙ステーションから届いたサンプルの検討から現在までに微生物汚染は認められないと、第83回日本細菌学会で発表した。その概要はつぎのようです。
 
船内の乗員や機器の汚染
 一般にストレス負荷時に個体の免疫力が低下する現象が知られており、宇宙空間滞在時の心身におけるストレスにより宇宙船乗員の免疫力にも同じような変化がおこると考えられる。
 
 一方、宇宙船内の清掃には限界があることに加え、乗員の滞在期間が長くなり、環境・常在微生物が十分増殖する機会がある。これまでの研究で、アスペルギルス属、ペニシリウム属、クラドスポリウム属などの糸状菌による船内汚染が拡大していることが報告されている。
 
 宇宙船内は無重力のため、船内環境微生物が宇宙船内に浮遊しており、乗員や機器が汚染されやすい環境にある。しかし、宇宙船内において内因性および環境由来微生物を排除することは事実上困難であり、宇宙環境固有のさまざまなストレスにより免疫力がかく乱された宇宙船乗員の健康が、これらの微生物によって損なわれ、感染またはアレルギーを引き起こすことが懸念されている。
 
 槇村准教授らは、宇宙でのヒト生活環境における微生物叢対策を講じるための基礎的研究の一環として、2008年に打ち上げられた国際宇宙ステーション「きぼう」内から得られたサンプルを2009年から2010年にかけて毎年回収し、宇宙船内における微生物発育状況を検討している。
 
 これまでの船内環境の清浄度は保たれているものの、今後船内活動が長期化するにつれて微生物による汚染が懸念される。宇宙船内の環境微生物汚染の経過を把握することで、宇宙でのヒト生活環境における微生物叢対策に有用な知見が得られると期待されている。
 
宇宙船内のサンプルの検討から国際宇宙ステーション「きぼう」は、現在までに微生物汚染は認められないとの報告ですが、少し不思議に感じられることがあります。何が不思議かと云うと、宇宙船内にもちこむ物品や機器の類は、事前に滅菌や消毒を施してあり、全てが清浄でもあるとも思われます。しかしながら、宇宙船に乗り組む乗員(=人間)の皮膚表面、鼻腔内、口腔内および消化管内に生息する微生物は、宇宙船に持ち込まないためにはどのような対策が講じられているのでしょうか。それとも乗員がもちこむことは仕方がないので、宇宙船内の空気を特別に処理して船内の空気を清浄にしているのであろうか。これも素人が考えるほど簡単なことではないと思われます。

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