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554. リュウゼツランに骨粗鬆症改善
キーワード:リュウゼツラン、フルクタン、機能性食品、骨粗鬆症改善
 
メキシコ国立工業大学生物化学科のMercedes G. Loepez教授は、テキーラの原料であるリュウゼツランが骨粗鬆症の改善などの健康増進効果をもつフルクタンを多く含み、機能性食品として最適であると発表した(第239回米国化学会)。
 
リュウゼツランには難分解性の食物繊維であるフルクタンが多くふくまれ、はちみつ、ぶどうや柑橘類に含まれるフルクトース(果糖)の重合体である。米国などの国々でアイスクリーム、シリアル、パン、クッキー、ソースや飲物などに幅広く使用されている。
 
Loepez教授によると、フルクタンは健康状態を改善し、多くの疾患のリスクを減少させるため、機能性食品の成分として認知されている。これまでの研究からフルクタンは、1.糖尿病、肥満に効果的、2.免疫力を高める、3.腸内細菌による疾患の減少、4.便秘の緩和、5.結腸ガンリスクの低減などの可能性が示されている。
 
フルクタンは、骨の成長に重要なカルシウムやマグネシウムなとのミネラルの吸収を促進させ、大腸内の善玉菌の成長を促進することがこれまでの研究から明らかにされてきた。Loepez教授らは、テキーラの原料であるリュウゼツラン由来のフルクタンが骨の成長に寄与しうるかどうかを解明する目的でマウスを用いた研究を実施した。
 
その結果、フルクタンを投与したマウスでは、食物からのカルシウム吸収量が増大し、糞便への排泄量が減少した。さらに骨組織の形成に関与するタンパクの量が50%も増加した。
 
Loepez教授らは、通常の食事にリウゼツラン由来フルクタンを補うことで、骨量の減少を防ぐことができ、骨形成も改善した。このことは、フルクタンが健康な骨の維持、特に骨粗鬆症に重要な役割を果たしていることを示していると述べている。
 
 
フルクタンを多量に含む植物には、チョウセンアザミ、キクイモ、ニンニク、タマネギやチコリなどがあり、低重合度のフルクタンは甘く、高重合度のフルクタンは甘さが控えめで、食物の口当たりを滑らかにするとのことである。テキーラの原料となるリュウゼツランのフルクタンに骨粗鬆症に効果がありそうだとの新知見です。しかし、リュウゼツランからテキーラを醸造する過程でフルクタンはアルコールに変化するため、テキーラにはフルクタンは含まれていません。そのためテキーラを飲むことと骨粗鬆症の改善とは無関係であるようだ。

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