◆エビの鰓(えら)着生菌 [Leucothrix mucor]

 養殖クルマエビの鰓にはほとんど例外なく、ときには野生のエビにも糸状の細菌が群生している。この場合は単に鰓のキチン皮膜の表面で群生しているのみで、組織内へ侵入しないので病気とはいえないが、濃密に着生すると他の異物がからみつき、呼吸が困難になり、脱皮するときなどにそれが死因になる。
原因菌であるロイコスリックス・ムコールはグラム陰性、偏性好気性の分枝しない桿菌(幅0.8-2.3μm)であるが、普通は連鎖状(糸状)になっている。また、この細菌はアマモ(アジモ)などの海草や死んだ海藻の上にもよく生育しているが、ときにはエビの卵や肢にも着生しているという。

関連 グラム陰性菌
関連 偏性好気性