◆フラボバクテリウム(属) [Flavobacterium]

 細菌の1属である。グラム陰性の好気性菌で、運動しない丸みのある桿菌または球桿菌(0.5 x 1.0-3.0μm)である。細胞内に黄色の色素(カロテノイド)をもち、ポリ-β-ヒドロキシ酪酸顆粒がない。新生児や未熟児に感染して化膿性髄膜炎(致死率約55%)の原因となり、成人では心内膜炎をおこすメニンゴセプチカム菌(F.meningosepiticum)はペニシリンやストレプトマイシンなどに耐性で、ヒビテンのような消毒剤にも抵抗するので、院内感染の原因の一つと考えられる。そのほかにこの属の細菌には魚類の病原菌もある。魚類の細菌性鰓(えら)病菌(F.branchiophira)はサケ科魚類、フラボバクテリウム症菌(F.balustinum)はアメリカで海水魚の病原菌として知られている。

関連 グラム陰性
関連 好気性菌
関連 ペニシリン
関連 ストレプトマイシン
関連 消毒剤
関連 カロテノイド
関連 サケ科魚類
関連 魚類の細菌性鰓(えら)病菌