◆肺炎レンサ球菌 [Streptococcus pneumoniae]

 かつては肺炎双球菌と呼ばれていた。レンサ球菌属のグラム陽性通性嫌気性球菌で、緑色の溶血鐶様に見える事から緑色レンサ球菌とも言う。莢膜を持ち84の菌型に分類される。栄養要求性が強いので、普通の培地では増殖できない。ヒトへの病原性は、大葉性肺炎が最も多く、その他に中耳炎や髄膜炎、結膜炎などを起こす。肺炎という病気は黄色ブドウ球菌、肺炎クレブシエラ、エンテロバクター、緑膿菌、肺炎マイコプラズマなどの細菌によっても起こるが、世界的には肺炎レンサ球菌によるものが最も多く、髄膜炎の起因菌としても注意を要す。最近は今迄有効であったペニシリンが効かなくなり、更にセフェム系やリファンピシンにも抵抗性になった菌が発見されている。死亡率は5〜10%で、抵抗力の弱い小児や高齢者、アルコール中毒者などでは20〜40%にもなる。
関連 黄色ブドウ球菌
関連 肺炎クレブシエラ