◆インフルエンザ菌 [Haemophilus influenzae]

 ヘモフィルス属の細菌でグラム陰性の通性嫌気性桿菌です。インフルエンザ菌は、増殖に血液に含まれるX因子(ヘミン)と補酵素V因子を必要とする。大きさは細菌の中では小さい方で、培養の条件により形態は様々に変り、球桿菌状から短桿菌、糸状、繊維状などになる(多形性)。運動性も芽胞もない。病気の原因となる株では多くの場合莢膜を持つ。
1890年にR. プァイフェル(Pfeiffer)と北里柴三郎によりインフルエンザの患者から分離されたのでインフルエンザ菌と名付けられた。実際のインフルエンザは、インフルエンザウイルスによるので、インフルエンザの原因菌ではない。健康な人の口腔内や中耳などにいる常在細菌の一種である。インフルエンザウイルスとの混合感染による肺炎は重篤になるケースが多く見られる。