◆イルカの連鎖球菌症菌 [Streptococcus iniae]

 1970年代に南米アマゾン川に棲息している淡水のイルカに発生した病気の原因菌は、それまで知られていなかった連鎖球菌の1種で、淡水イルカの学名から命名された。この病気の症状はイルカの胸や腹の皮下に膿をもった病巣ができることが特徴である。この細菌はグラム陽性、通性嫌気性の連鎖状の球菌(直径1.5μm)である。血液を強く溶解(溶血)することもほかの連鎖球菌と同じである。また、ストレプトマイシンやゲンタマイシンなどの抗生物質が有効である。連鎖球菌のほかの菌種はヒトをはじめ哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類からも分離され、病原菌としてきわめて重要である。

関連 連鎖球菌
関連 細菌
関連 グラム陽性菌
関連 通性嫌気性
関連 溶血
関連 ストレプトマイシン
関連 ゲンタマイシン
関連 抗生物質