◆貝毒 [Shellfish poison(s)]

 貝類による食中毒の原因となる有毒物質で、おもに世界各地の沿岸海域に生息している渦鞭毛藻類、珪藻類、藍藻(藍菌)類が原因する麻痺性貝毒、下痢性貝毒、神経性貝毒および記憶喪失性貝毒が知られている。麻痺性貝毒は渦鞭毛藻のアレキサンドリウム、ギムノジニウム、ピロジニウムおよび藍藻のアファニゾメノンやアナベナがもつアルカロイドのサキシトキシン(saxitoxin: SXT)である。下痢性貝毒は渦鞭毛藻のディノフィシスやプロロセントラムがもつポリエーテル化合物であるオカダ酸(okadaic acid: OA)とその誘導体であるディノフィシストキシン(dinophysis toxin: DTX1)である。神経性貝毒は渦鞭毛藻のギムノジニウムがもつポリエーテル化合物であるブレベトキシン(brevetoxin: BTX)である。また、記憶喪失性貝毒は珪藻のシュードニッチアがもつドーモイ酸(domoic acid: DA)である。

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