◆血液凝固酵素 [Coagulase,Blood clotting enzyme(s)]

 コアグラーゼともいい、血液(血漿)に作用して、繊維素フィブリンの凝固物をつくる酵素で、黄色ブドウ球菌が産生する。結合型と遊離型があり、血漿中のフィブリノーゲン(fibrinogen)が直接的にはトロンビン(thrombin)とよばれる凝固酵素によってフィブリンに変化し、それが網状になることで凝固する。血液凝固作用には多くの因子が働き、それらの因子が最終的にはトロンビンを活性化してフィブリノーゲンがフィブリンに変化する。これらの凝固因子はタンパク質分解酵素の1種であることが 明らかになった。なお、動物の臓器や皮膚などに存在するヘパリン(heparin)はトロンビンを阻害するアンチトロンビン(anti-thrombin)の作用を促進するので、血液の凝固阻止剤として用いられている。

関連 繊維素フィブリン
関連 黄色ブドウ球菌
関連 パク質分解酵素