◆結核 [Tuberculosis]

 細菌感染症の一つで、結核菌の感染によっておこる病気である。結核はヒトをはじめ哺乳類や鳥類がかかり、病原菌は抗酸性菌であるマイコバクテリウム属の細菌である。ヒト結核菌、ウシ型結核菌、トリ類型結核菌が知られている。また、結核菌に似た魚類のマイコバクテリウム症菌もある。
ヒトの結核はほとんどが飛沫や塵(ちり)による気道感染であるが、まれに消化管や皮膚を経た感染もある。感染初期は結核菌がリンパ節に病変をおこし、ツベルクリン反応が陽性になる。そのままリンパ節が石灰化して治ることもるが、通常は病巣の結核菌によって病変が気管や腸管などへ広がる。種々の器管や臓器が冒されるが肺に空洞ができる肺結核が最も多い。早期の診断は胸部X線撮影や喀痰(かくたん)検査による。治療はストレプトマイシンをはじめカナマイシン、リファンピシン、イソニコチン酸ヒドラジド、エタンブトールなどの化学療法剤が効果的である。また、予防にはビーシージー(BCG)が用いられる。これはフランスのパスツール研究所で開発されたもので、ウシ型結核菌から得られた病原性がない菌株で、皮内注射法で免疫効果がある。かつて蔓延した結核は有用な化学療法剤の適用で1950年以降は激減したが、最近、再び感染者が増加する危険性が高まっているので注意が必要である。

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関連 魚類のマイコバクテリウム症菌
関連 ツベルクリン
関連 ストレプトマイシン
関連 カナマイシン
関連 リファンピシン
関連 化学療法剤
関連 ビーシージー(BCG)
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