◆魚類のキロドネラ症原虫 [Chilodonella piscicola (cyprini),C.hexasticha]

 キロドネラ症は養殖コイ、マス類、ナマズ類、バス類などの鰓(えら)、鰭(ひれ)または皮膚の原虫病として古くから世界的に知られている。日本ではしばしば蓄養されたニシキゴイやキンギョに発生する。キロドネラは繊毛虫類に属し、標記前者の原虫はサケ科魚類やコイ科魚類などの淡水魚に、また、後者の原虫はディスカスなどの熱帯魚の寄生体とされている。しかし、これらの原虫が鰓や皮膚に炎症をおこすという直接原因説と、別の原因で鰓に病変がおき、その崩壊した組織やそこで増殖した細菌を栄養源にする寄生体が増殖するという間接原因説もある。
前者の原虫は片側が扁平で、対面が脹らみ腹面の両側に繊毛がある。円形ないし楕円形の細胞の大きさは60μm程度で、大核と小核をもっている。二分裂で増殖するが、シストをつくることは確かではない。対策として白点病と同じメチレン・ブルー、マラカイト・グリーンまたはホルマリンによる薬浴法がとられている。

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