◆魚類のブランキオマイセス症菌 [Branchiomyces sanguinis,B.demigrans]

 ブランキオマイセス症は古くからヨーロッパでコイの真菌病(かび病)として知られ、最近、アメリカや日本でも発生はしたが、日本ではウナギにその例がある(1972年)のみである。ウナギでの症状は外観ではとくに異常はなく、鰓(えら)に斑点状の出血、ひどい鬱血(うっけつ)や貧血があって、粘液の分泌が激しく"鰓ぐされ病"に似た状態になり、ときに鰓は壊死(えし)、崩壊して死亡する。
原因になる標記の真菌ブランキオマイセス・サンギュイニスはやや太い菌糸(径14-20μm)で、胞子(直径5-9μm)をもつ。一方、ブランキオマイセス デミグランスの胞子はより大きく、その菌糸が組織から外へ伸びることが違う点である。現在、ブランキオマイセス属は分類が明確ではない。対策はマラカイト・グリーンが有効であるが病魚の除去と消毒がよい。

関連 鬱血(うっけつ)
関連 壊死(えし)
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