◆紅斑熱リケッチア[Rickettsia rickettsii]

 リケッチア属(Rickettsia)によって引き起こされるロッキー山紅斑熱の病原体である。この病原体は主に北アメリカのロッキー山地および太平洋沿岸にみられるのでロッキー山紅斑熱リケッチアと名付けられた。 日本には存在しないと考えられていたが、1984年に四国東南部で発生したツツガムシ病様の疾患患者の血清を調べた結果、新型のリケッチア(R. japonica)による日本紅斑熱であることが証明され、その後の研究から、日本国内の各地でも発生している事が分かった。この病気の病原体であるリケッチアはダニにより媒介されてヒトに感染するが、日本で発生している日本紅斑熱を媒介しているダニはまだはっきりしていない。リケッチア症の診断に用いられるワイル・フェリックス反応では、ロッキー山紅斑熱はOX-19型であるが、日本紅斑熱はOX-2型である。
関連 ツツガムシ病