◆クロラムフェニコール [Chloramphenicol]

 クロロマイセチンともよばれ、放線菌の1種Streptomyces venezuelaeが産生する抗生物質である。グラム陽性菌、グラム陰性菌、リケッチア、一部のウイルスなど広範囲の微生物に有効である。天然物としてはまれな塩素やニトロ基をもった構造で、現在は合成法で製造されている。この抗生物質は細菌のリボゾームに結合して、タンパク質の生合成を阻害する。副作用として造血臓器の障害で悪性貧血がおきることなどから、現在は医薬としてはあまり用いられていない。なお、クロラムフェニコールのニトロ基(NO2)をスルフメチル基(S02CH3)に置換したチアムフェニコールがある。

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