◆燻製食品 [Smoked and dried food]

 一般に肉類、卵類、魚介類などをあらかじめ塩漬けなどの処理をして、燻煙に曝して乾燥することで、燻煙中の成分を吸収させて保存性を高めて、特有の風味をもたせた食品で、乾燥食品でもある。これにはおもに保存性をよくするために低温で燻乾させる冷燻品と、風味を高めるために高温で短時間に燻煙処理する温燻品がある。燻材は一般にカシ、ナラ、クヌギ、ブナ、クルミなどの樹脂が少ない木が用いられる。いずれの場合も燻煙(燻液)中に含まれる抗菌(防腐)性物質や油脂の抗酸化物質が燻製品の変質を防ぐ役割をもっている。一般的にはサケ・マス類、ニシン、イカなど魚介類の燻製品が知られている。なお、燻煙処理をせず燻液に漬けて乾燥した液燻品もある。また、古くから農家では"いろり"の煙で燻製品をつくって保存食にしたり、"炭焼き"の副産物である木酢(wood vinegar)が燻製に利用されている。

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