◆マコンブの赤変病菌 [Alteromonas sp.]

 北海道各地のマコンブ種苗場で1980年代からマコンブ(褐藻)の種苗糸上に赤斑が生じ、時間とともに赤斑が大きくなり、その病巣部が脱落する被害が続発している。原因細菌は6月から7月にかけて増加し、コンブが生育している海域にも広がって、マコンブの母藻に付着した細菌が種苗培養槽へ混入すると考えられている。
赤変原因菌はグラム陰性、好気性のわずかに弯曲した桿菌である。また、細胞の端にある鞭毛で運動し、特定の培地では他の細菌を溶し(溶菌)、赤色色素(プロジギオシン)をつくることが特徴である。発育温度は5-28℃と幅広く、沿岸域にかなり生息している海洋細菌の1種である。このような性質から、この細菌はアルテロモナス属の新種であると考えられている。この病気の防除法としては二酸化塩素が有効である。

関連 グラム陰性菌
関連 好気性菌
関連 鞭毛
関連 溶菌
関連 プロジギオシン
関連 海洋細菌