◆硫酸塩還元細菌 [Sulf(ph)ate reducing bacteria]

 硫酸塩を最終の電子受容体として利用し、硫化水素に還元(生成)する独立栄養的な従属栄養細菌である。グラム陰性菌であるが、細胞の形(0.5-1.5×2.5-10.0μm)がコンマ状で1本の鞭毛をもって運動するビブリオ型またはらせん菌型であるデスルフォビブリオ属(Desulfovibrio)や、桿菌型のデスルフォモナス属(Desulfomonas)のほか、周辺にある鞭毛で運動し、芽胞をつくるデスルフォトマキュラム属(Desulfotomacurum)の3属の細菌がある。以前、独立栄養性と考えられていたが、ほとんどの硫酸塩還元菌は水素供与体として乳酸などの有機化合物を利用して生育することから独立栄養菌から除外された。硫酸塩還元菌は通常、水田の土壌、川の底土、腸内容物などの嫌気的な環境に生息する偏性嫌気性菌である。

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