◆サルモリジン [Salmolysin]

 魚類のせっそう病菌(Aeromonas salmonicida)が産生する溶血毒素。熱に不安定な高分子の糖タンパク質で、とくにサケ科魚類の赤血球を強く溶血する。せっそう病菌のリポ多糖、プロテアーゼ、白血球溶解因子、グリセロリン脂質-コレステロールアシル転移酵素(GCAT)などとともに病原因子の一つと考えられ、サケ科魚類に対する免疫原性が認められている。サルモリジンはホスホリパーゼ C作用はなく、スルフヒドリル(SH)基によっても活性が回復しないことなどから、ストレプトリジン Sやエロリジンのように細胞膜の孔形成毒素の一つと考えられる。

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